「いつ死んでしまうか不安で食べることも眠ることもできない」ガザ出身女性が学習会で嘆き

「家族が心配で夜も眠れない」と訴えるガザ出身のアルレイエスさん(京都市左京区・京都大)

 イスラエル・パレスチナ情勢が緊迫化する中、市民有志による緊急学習会「ガザとはなにか」が、京都市左京区の京都大で行われた。パレスチナ問題の研究者が講演したほか、パレスチナ自治区ガザ出身の女性が「家族や友達が大勢ガザにいるが、いつ死んでしまうか不安で食べることも眠ることもできない」と泣きながら訴えた。

 学習会には市民や学生約230人が詰めかけ、早稲田大の岡真理教授がパレスチナ問題を解説した。1948年のイスラエル建国によってパレスチナの人が強制的に故郷を追われたことや、ガザが2007年からイスラエルによって完全封鎖され、食料や水、医療物資が常に不足状態だと述べた。

 岡教授は「10月7日に始まった紛争ではなく、歴史の根本に立ち返って問題を考えてほしい」と強調した。

 昨年来日し、京都市内で暮らすガザ出身の主婦アンハール・アルレイエスさん(29)は、大半の家族や友人と連絡がつかないが、数日前に親戚の1人からようやく連絡があり、「食べ物も水もなく、子どもが熱を出しても病院に薬がない。ガザの中にいても家族がどうしているか分からないと言っていた」と明かした。

 さらに「ガザは長年にわたり監獄状態に置かれてきたが、今は壊滅的な状況だ。ふるさとの家や市場、パン屋が破壊され、何の罪もない子どもたちが殺され、生きている人も数分後には死ぬかもしれないという恐怖の中にいる」と涙を流した。

 参加した会社員(60)=右京区=は「家族がガザにいるという切迫した話に言葉が出なかった。多くの人が事態の本質に関心を持たねばならない」と話した。

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