袴田巌さんの姉も“待ちわびた初公判”その思い 傍聴席求め多くの人も…(静岡県)

袴田巌さんの姉、ひで子さんにとっても待ちわびた「再審の初公判」。どんな思いで法廷へと向かったのでしょうか?また裁判所にも傍聴席を求め多くの人が集まっていました。

午前8時47分、浜松市。裁判所へと向かうため自宅から出てきた姉・ひで子さん。

(袴田 ひで子さん)

「みなさんどうも、ご苦労様でございます」

Q:いよいよ きょうを迎えました、今のお気持ち聞かせてください

「57年間 闘って、やっと再審開始になりました、裁判は初めてなんですよ、だけど別に、びくともしゃくともしてない」「真実を望むってこと、巌は無実だから無罪を望んでおります」

再審への意気込みを笑顔も交えて話した ひで子さん。2月で90歳になりました。3歳年下の巌さんは、現在87歳…。26日から腰が痛いと言い、27日朝、ひで子さんが家を出るときは、まだ寝ていたといいます。

(袴田 ひで子さん)

「行ってまいます…」

ひで子さんは巌さんが「出廷免除」となったため、代わりに静岡地裁へと向かいます。その頃、静岡地裁では…。

(岡崎 謙一 カメラマン)

「午前8時30分です。袴田さんの再審やり直し裁判、 初公判の傍聴席を求め長い列ができています」

(永見 佳織 アナウンサー)

「静岡地裁には一般傍聴券を求めた人たちの列ができています。現在は整理券が配られています」

死刑が確定した事件で再審が開かれるのは、36年ぶりという注目の裁判。一般傍聴席は26席しかありませんが、280人が傍聴を希望しました。

(大学1年生)

「元々袴田事件を大学の講義で受けた」「実際の裁判がどんなものか、裁判官とか検察官がどんな立場で今の袴田さんについて思っているのか学んでいきたい」

11人の高校生を連れて並んだという先生も…。

(高校の先生)

「私のゼミでは社会を知ることに重点を置いておりまして、自分たちが生活している社会の 中で起きている事件として、どのように考えて感じているのか、傍聴を通して感じてほしいと考えています」

午前9時45分、駿府城公園に集まった多くの人たち。

(永見 佳織 アナウンサー)

「今番号が貼られました、一般傍聴席の抽選番号が発表されています」

「支援者の人でしょうか、当たった方がいるようです」

(支援者)

「大丈夫かな…もう一回確認します…あ、当たりました!」「人生を破壊されてしまった巌さんにもう一度人生を取り戻すという意味で」「歴史的瞬間だと思っています」

支援者の中には、菅家利和さんも。「足利事件」で逮捕され無期懲役となりました。その後、2010年に再審で無罪が確定。逮捕から18年あまりが経ってのことでした。

(足利事件 ”再審判決で無罪“ 菅家 利和さん)

「袴田さんにぜひ謝ってもらいたい、謝罪しろと言いたい検察、警察に」「2人とも きょうだいそろって元気で長生きしてもらいたい、それだけは言いたい」

初公判が始まるのは午前11時。時間が近づくにつれ袴田さんの支援者らが集まり、横断幕やのぼりを掲げ無実を訴えていました…。午前10時10分。そこに、ひで子さんの姿が…。

Q:今のお気持ちは?

(袴田ひで子さん)「頑張ります」

そして…

(白鳥 貴久 記者)

「午前10時半前です、ひで子さんや弁護団が静岡地裁に入っていきます」

長い年月…再審を待ち望んでいた ひで子さん。笑顔で「法廷」へと向かっていきました。

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