1,679ccエンジンが唸る怒涛のドラッグマシン・VMAX【バイク買取調査隊】

VMAXの車種プロフィール

VMAXの初登場は1985年。ベンチャーロイヤルというツアラー用の1,198cc水冷V4エンジンをパフォーマンスアップさせて、クルーザールックのシャシーに搭載した「ストリートドラッガー」としてデビュー。デビューから24年目となる2009年モデルで初のモデルチェンジを受け、排気量が1,679ccに拡大されたことで完全な新モデルとなった。強烈な加速を生み出す「力強さ」を感じさせるイメージは完全に継承されており、大きな仕様変更を受けることなく2017年モデルまで生産された。[(https://www.bikebros.co.jp/catalog/7/1_13/)

バイクインプレ

車両の特徴

ヤマハのフラッグシップモデルにふさわしい堂々たる車体構成となっており、ホイールベースは1,700mmで重量は311kg。

初代から続く強烈な加速感がVMAXの魅力の一つとなっている。
しかしその一方で、電子制御スロットルや電子制御インテークを搭載するほか、4本のシリンダーを個別の燃料噴射マップによって緻密に制御するなど、最新の技術が要所に盛り込まれている。

車体の特長のひとつに、大きく重いエンジンを車体のギリギリ前方に搭載していることが挙げられる。
これにより自然とフロントタイヤにかかる荷重が大きくなり、安定感のあるハンドリングを生み出すように設計されている。

こうした味付けのおかげで、単純に荒々しい乗り味を持っているだけのバイクとは一味も二味も違う仕上がりになっており、新世代のVMAXという印象を受ける。

エンジン

水冷4ストロークV型4気筒エンジンを搭載。
ボア×ストロークは90.0×66.0mm。総排気量は1,679cc。
最高出力は151ps/7,500rpm、最大トルクは15.1kgf・m/6,000rpmとなっている。

足回り

前後のブレーキの性能は申し分ない。
とくにフロントに関しては文句のつけようがないレベルでよく効き、またコントローラブルである。
リヤに関しても十分な制動力とコントロール性が備わっている。

311kgにも及ぶ車体を支えていることもあって、前後の足回りは決してソフトな設定ではない。
ただ、大きく重い車体との組み合わせということで、サスペンションのバネ下だけでほとんどの外乱を吸収してしまう感じになっている。
こういった点も、乗り味に高級感をもたらしている要因の一つになっている。

走り

エンジンは3,000~4,000rpmにおいてはとてもジェントルなバイクで扱いやすい印象。
ワインディングをツーリングペースで流している限りは、スロットル操作に対して車体やエンジンが過度に反応するようなキャラクターでは決してない。
その理由として、エンジンを制御しているコンピュータ、そしてYCCT(ヤマハ電子制御スロットル)などが挙げられる。

対して5,000~6,000回転かそれ以上の領域では、強烈な加速が味わえるようになっている。
ただし、ライダーにさほど恐怖を感じさせないまま加速するという印象。
これは、ヤマハの車体作りとハンドリング設計の上手さが光る点だといえる。

景色を眺めながらゆったり走るもよし、アクセルを大胆に開けて短いストレートで加速感を味わうもよし。
そういった様々な乗り方ができる1台に仕上がっている。

そしてフロントまわりの設計は、キャスター角が31度、トレール量が141mm。
つまり極低速域での走行や取り回しのときなど、ステアリングが切れ込もうとする癖が顔をのぞかせる。
ただ、走りだしてしまえば実に安定した扱いやすいハンドリングになっている。

モデルチェンジが2009年ということを考えるとかなり古いバイクだが、古さを感じさせない強烈な個性がある。
これが初代から続くVMAXの普遍的な魅力だろう。

※当記事は動画「MOTO BASIC」協力のもと、モトメガネが編集構成した記事となります。

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