教諭の平手打ちで児童の鼓膜が破れる大けが 当初学校から保護者に説明なし 翌日から校長は修学旅行へ

愛知県豊田市の小学校で、男性教諭による「体罰」で5年生の男子児童が耳の鼓膜がやぶれる大けがをしました。いったい何があったのでしょうか?

(豊田市教育委員会の会見)
「申し訳ありません」

豊田市教育委員会が「体罰」と認定したのは、市立東山小学校で10月25日、40代の男性教諭が行った行為です。

(豊田市立東山小学校 杉本康弘校長)
「右手で児童の左耳から頬にかけて、平手打ちしたことによるもの」

教育委員会によりますと男性教諭は、25日午後0時半ごろ、算数の少人数授業の終了後、教室の中で5年生の男子児童に授業中の態度を指導した際、左耳やほほを複数回平手打ちしたというのです。

男子児童は、鼓膜が破れる全治1か月の大けがをしました。

児童の授業態度については明らかにされていませんが、男性教諭は聞き取りに対して「自分の感情を抑えられなかった。愚かなことをした」などと話しているといいます。

(豊田市教育委員会 三浦法雄教育部長)
「体罰は絶対に許されない。再発防止に全力で取り組んでまいります」

教育委員会も「絶対にいけない」と明言する「体罰」。しかし、学校ではその認識を疑われるような対応が。

保護者が診断を報告するまで、学校側からの説明はなかった…

(豊田市立東山小学校 杉本康弘校長)
「当日、養護教諭が出張していて不在だった。それに伴い、担任が保冷剤という対応をした」

男子児童は男性教諭に叩かれたあと、担任に耳の不調を訴えましたが、保冷剤を渡されただけで帰宅。その後、保護者が医療機関に連れていき、全治1か月と診断され学校に報告しましたが、この間、学校側から保護者には何の説明もしていなかったのです。

本来、養護教諭が不在の場合、担任が一時処置をして管理職に報告し、医療機関への受診や保護者への連絡も行うルールになっていますが、守られていませんでした。

当日に報告を受けた校長…翌日から修学旅行の引率へ

さらに「体罰」の報告を受けていたにも関わらず、校長は翌26日から、6年生の修学旅行の引率に出かけていました。

(豊田市立東山小学校 杉本康弘校長)
「私が修学旅行の引率に行くなど認識が甘いこと。対応が遅くなったこと。改めて謝罪させていただく。申し訳ございませんでした」

学校は29日、保護者説明会を開くとともに、30日に集会を開き児童たちに説明と謝罪をすることにしています。

© CBCテレビ