神戸・中3自殺、市教委が第三者委設置へ 「無視」「暴言」などのいじめ被害、入学直後から訴え

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 神戸市立中学校でいじめ被害を訴えていた3年の男子生徒(15)が25日に自殺した問題で、神戸市教育委員会が、いじめ防止対策推進法に基づく第三者委員会を立ち上げる方針であることが分かった。同法に基づく「重大事態」に該当する可能性があるとみて、調査委の設置に向けて事実関係を調べる。

 同法は、いじめによって児童生徒の生命や心身に重大な被害が生じたり、相当な期間、欠席を余儀なくされたりしたと疑われる場合に重大事態と認定する。

 家族によると、男子生徒は25日、自宅で亡くなっているのが見つかった。2021年4月の入学直後から「クラス全員から無視される」「暴言を吐かれた」などと周囲に訴えていた。上級生の暴行もあったといい、学校に調査を求めたが「そのような事実はなかった」という趣旨の返答があったという。2年生の夏以降は校内の不登校教室に通っていたが、3年生からは同教室にも通えなくなった。

 市教委によると、学校はこれまで男子生徒の状況を重大事態と認めていなかった。市教委は取材に「ご家族の訴えを、学校とともに真摯に受け止めて対応していきたい」としている。

 久元喜造・神戸市長は27日の定例会見で「将来ある中学生が自ら命を絶ったことは大変残念で、悲しい。市教委は事実関係を正確に把握し、ご家族に寄り添った対応をしてもらいたい」と述べた。(鈴木雅之)

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