「怖いですね」クマの目撃情報相次ぐ 富士市はパトロール強化 専門家「今年の猛暑」が関係では=静岡

10月27日午前、静岡県富士市でクマが出没したという目撃情報がありました。富士市内では、25日にもクマが目撃されたばかりですが、これだけクマの目撃情報が相次いでいるのはどうしてなのでしょうか。

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<中西結香記者>
「富士市原田地区です。この場所でクマを目撃したという情報がありました。富士市の職員がパトロールを実施して警戒にあたっています」

富士市によりますと、27日午前7時45分頃、富士市原田で住民の女性が家の中からクマを目撃し、警察に通報しました。目撃されたクマは1頭で、体長は約1mだということです。

25日にも富士市江尾でクマの目撃情報があったばかりで、27日は、その場所から約4kmキロ西に離れたところで目撃されました。富士市は、同報無線や公式SNSを通じて周辺の住民などに注意を呼び掛けました。

25日、クマが目撃された江尾地区をパトロールしていた富士市の職員は、新たなクマの目撃情報を受け急遽、原田地区に移動。そのパトロールに同行しました。

<富士市の職員>
「情報によると、ここから南下していったという話だった。クマの目撃情報。山林から民家、学校とかもありますので、重点的に回っています」
Q.今のところどうですか?手がかりは?
「まったくないですね。いろんなところを回っているが」

<近くで作業していた農家>
Q.クマが目撃された情報が富士市から出ているが?
「上から降りてきた人に聞きました。なので、収穫を終わりにして、これで帰ります」
Q.クマが出たとなると農作業続けられないですか?
「こわいですね」

また、近くの県立吉原工業高校では、クマが目撃されたのが登校時間帯だったため職員が登校中の生徒の見守り活動を実施しました。

わずか3日間のうちに2回クマの目撃情報があった富士市。なぜ、ここまで目撃情報が相次いでいるのでしょうか。

<日本ツキノワグマ研究所 米田一彦理事長>
「富士山麓はクマの生息域ですので、何かの条件が整えばすぐに出てくる。(クマが求めているのは)何かしらの果樹、栗とかに向かっている。それらが今月末になくなるので、今度は人家周辺のドックフードやゴミを漁る」

全国的にもクマが相次いで目撃されている理由について、専門家は「今年の猛暑」が関係していると指摘します。

<日本ツキノワグマ研究所 米田一彦理事長>
「全国的にどんぐりが凶作になっている。ここ100年でそうあることではない。なので、かなり異常事態になっている。今年の要因としては酷暑が何かの作用をしていると考えている」

富士市では引き続きパトロールを強化していくとしています。

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