かつてはよく目にしたのに、気付けば見かけなくなった。サッカーのユニフォームにはそんなスポンサーロゴ(胸ロゴ)がある。
ドイツの電機メーカー『SIEMENS(シーメンス)』のロゴマークもそんな一つではないだろうか。“m”の1文字を赤く染めた「SIEMENS mobile」ロゴマークをご記憶の方も多いことだろう。
このロゴがサッカーユニフォームに付いていたのは、ほぼ2000年代前半のみ。これは同社の主力だった携帯電話の普及率が欧米とアジアの一部を中心に右肩上がりだった時期と重なる。契約チーム数はそれほど多いわけではなかったが、世界的な名門がパートナーだったこともあり印象は強い。
ここでは、そんな「SIEMENS」ロゴを付けた5つの欧州チームのユニフォームをご紹介しよう。
ボルドー
ジロンダン・ボルドー 2003-04 adidas ホーム ユニフォーム
契約期間:2000年-2004年
今季は2部で戦うフランスの名門ボルドー。2000-01シーズンから03-04シーズンまでシーメンスと契約し、胸にロゴマークを掲出した。
ロゴの変遷は最初のシーズンが「SIEMENS mobile phones」で、残り3シーズンは「SIEMENS mobile」。ちなみに2004-05シーズンからはシーメンスのライバル企業モトローラ(MOTOROLA)と契約している。
ラツィオ
ラツィオ 2001-02 Puma ホーム ユニフォーム
契約期間:2000年-2003年
今季から日本代表MF鎌田大地が所属するイタリアの名門ラツィオ。昔のユニフォームはチリオ(CIRIO)の印象が強いが、そのチリオの後にスポンサーとなったのがシーメンスだった。
両者の契約期間は3シーズン。ロゴの変遷は最初の00-01シーズンが「SIEMENS mobile phones」で、残り2シーズンは「SIEMENS mobile」。この変化は先にご紹介したボルドーのそれと全く同じである。
リンカーン・シティ
リンカーン・シティ 2002-03 IMP Sport アウェイ ユニフォーム
契約期間:2003年-2004年
現在はイングランド3部EFLリーグ1に所属するリンカーン・シティが、さらに一つ下のリーグに所属していた時代。すなわち4部リーグ時代のユニフォームだ。その当時のリーグ名称はディヴィジョン3だった。
リンカーンとシーメンスの契約期間は2003-04シーズンのみのようだが、画像は2002-03シーズンのユニフォーム。2003年5月の試合で着用したもので、新シーズン前に一足早く新スポンサーをお披露目したのか、それともシーズン途中でシーメンスに変更したのか。詳細は不明である。
グラスホッパー
グラスホッパー・クラブ・チューリッヒ 2004-06 adidas ホーム ユニフォーム
契約期間:2004年-2006年
現在はDF瀬古歩夢が所属するスイスの名門グラスホッパー。1部スーパーリーグで好成績を収めた2004-06の2シーズンでシーメンスと契約し、「SIEMENS」ロゴを付けている。
グラスホッパーは当時も今も、比較的ローカル色の強い企業と胸スポンサー契約することが多い。欧州を代表する企業シーメンスのロゴを付けたユニフォームは、実はかなり貴重だ。
レアル・マドリー
レアル・マドリー 2005-06 adidas ホーム ユニフォーム
契約期間:2002年-2007年(BenQ SIEMENS時代含む)
レアル・マドリーは「SIEMENS」が契約した中でNo.1のビッグクラブだ。90年代のユニフォームの象徴だった「Teka」との契約が終了し、代わりに登場したのがシーメンスだった。
5シーズンの契約期間でのロゴ変遷は、最初の3シーズンが「SIEMENS mobile」。05-06シーズンは「SIEMENS」のみ。
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なお、シーメンスは2005年に台湾の電気メーカーのベンキューに買収され、ブランド名も「BenQ SIEMENS」へ変更。06-07シーズンのユニフォームはこのブランド名を付けている。
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