「あなたのために…」と言う人ほど要注意!?“好意を奪う人”の特徴とは

「あなたのために」と言われたら、素直にありがたいと思うしその気持ちは受け取りたいと思いますよね。

一方で、こう言いながら関わろうとする人のなかには、こちらに感謝を要求する、自分の思い通りの反応を押し付けることもあり、付き合い続けると好意を奪われる一方になります。

善意であると見せかけながら実はこちらに期待通りの対応を求める人とは、あたたかい信頼は築けません。

ストレスを避けるには、どんな接触に気をつければいいのでしょうか。

「あなたのために」と言いながら自己満足がメインの人

たとえば、野菜やもらい物などを「おすそ分け」と言いながら持ってこようとするけれど、断ると不機嫌になったり嫌味を言ったりする人はいないでしょうか。

「今は間に合っているから」ときちんと説明したけれど、機嫌を悪くされたら断った自分が悪いと受け取る人もいると思います。

ですが、そもそもおすそ分けは「したい側」の事情であり、それを絶対に受け入れなければいけない決まりはありません。

「せっかく声をかけたのに」「喜んでくれると思って」など、こちらのことを思っての提案であると相手は強調することが多いですが、何が「こちらのため」なのかは相手が決めるものではないですよね。

本当に善意や好意で考えてくれたことなら、断ったこちらの気持ちもまた自分の思いと切り離して受け止めてくれるのが、対等ではないでしょうか。

「あなたのために」とわざわざ口にしながら何かをしようとするのは、善意を装った自己満足を得る手段ではないかと感じます。

提案を断られて不機嫌になるのは、自分が満足したいからこちらに期待通りの対応を要求するのであって、それは善意や好意とはいえません。

こちらの対応をそのまま受け入れない、「必ず好意で返すべき」とする人にはどんな特徴があるのでしょうか。

こんな人との接触は自分を守るために避けるのが賢明!

1: こちらの状態を無視して対応を求める

夕方の忙しい時間帯だったり手が離せないときだったり、連絡をもらったタイミングが悪かったなんてことは誰でもありますよね。

たとえばおすそ分けの提案をされたときに、「ごめんなさい、今はちょっと動けなくて」とこちらの状態を説明しているのに、「すぐ済むから」「近くまで来ているから」と自分の事情を前に出して対応させようとするのは、こちらを尊重しているとはいえません。

「これは善意なのだから対応して当然」と思っているから、こちらに無理をさせることが平気なのですね。

都合のいい時間や次の機会を尋ねるのが本当の善意であり、何でも合わさせようとする人は自己満足が目的ではないでしょうか。

2: 「あなたのために」など押し付けがましい言葉がある

何かを提案されて断ると、「あなたのためにと思ったのに」「せっかく考えたのに」など、受け入れないこちらに非があるような言い方をする人には要注意。

「あなたのために」は善意に見えますが、本当にそうならこちらの「断る事情」にもきちんと注目して「そうなのね」と言えるはず。

こちらが聞く前から「あなたのために」と前置きのように言う人も多いですが、それが本当にありがたいことかどうかは、する側ではなくされる側が決めることです。

愛情をこめて「あなたのために」と言うときは、それをする自分にそもそも満足しているはず。断られて機嫌を損なうような人は、見ているのが相手ではなく自分の気持ちなのです。

3: 断っても引き下がらない

「野菜がたくさんあるからどう?」と言われ、「ありがとう。でも買い物に行ったばかりで間に合っているから」と断ったのに「うちも余っているから困っていて」「誰かにあげればいいから」とまだ要求を続けるような人は、自分のストレスを他人で解消したい目的があります。

困っているのは自分の事情でありこちらには関係ないのに、無理を通してでも何とかしようとするのは自分勝手ですよね。

「ほかの人に言ってみて」と別の提案をしても受け入れなかったり、「何とかできない?」と頼み事を重ねてきたり、断っても引き下がらない人は他人を利用することにためらいがありません。

それはこちらを自分より下と見ているからであり、ほかの場面でも自分の要求に従うことを求めてきます。

こんな人は、対等な気持ちのやり取りを嫌がり自分が満足する関係しか求めていないため、お付き合いを続けてもストレスが避けられないといえます。

4: 感謝の「度合い」に注目する

本当に善意や好意でやったことではないな、とわかるのは、何かした後で「感謝が足りない」「ありがたみが薄い」など相手の対応に文句をつける人です。

たとえば友人と近くに出かける予定を立てたときに、車を出すと自分で言い出したのに友人が「ありがとう」だけで済ませたことが気に入らず、「もっと感謝するべき」など口にする人は、最初から「感謝される自分」が目的で提案していると感じます。

感謝の「度合い」にこだわるのは自分がしたことに大きな価値を持っているからで、それに見合った対価を求めるのは善意や好意ではありません。

「自分がしたいからそれをする」が善意であり、相手の対応にその都度注目してはあれこれとケチをつけるのは、自己満足を求めているからではないでしょうか。

5: 「断れば損をするぞ」と言う

自分の提案は相手にとって最上のものであり、受け入れない相手がおかしいと決めつける人が口にする言葉に、「断れば損をする」があります。

これも相手を下に見ているから出る言葉であり、断ってくる相手がしゃくに障るだけです。

何が「損」になるのかは人それぞれ違うはずで、拒絶される自分を見たくないからこんな言い方で相手の価値を下げるのですね。

自分の要求は受け入れられて当然、と思う人は、相手のためを思うふりをして自分の存在感をねじ込んできます。

人を対等な目で見れば「断られるときもあって当たり前」であり、それを許さないような言い方をする人は、お付き合いを避けるのが最善といえます。

本当の「善意」には選択の余地がある

仲のいい人、親密な関係の人には「何かしてあげたい」と思う、自分が手にしているものについて誰かにとっても価値があるはず、と思うのは誰にでもある気持ちです。

それを提案するとき、本当に善意や好意がベースにあれば、「受け入れるかどうかは相手が決めること」というわきまえも同時に生まれます。

自分と相手は違う人間なら、価値観や考え方が同じでないこともあり、またタイミングが違えば気持ちが揃わないときもあって当然ですよね。

差し出された提案をどうするか、本当の善意や好意には相手に選択の余地があり、その結果を受け入れるのが信頼の証です。

断る側にも自分と等しく事情があり、「ありがとう」と感謝の気持ちを伝えてくれる姿を正面から見ることも、居心地のいい関係を続ける大切な秘訣。

断られたことで不機嫌や怒りを見せる人は、自分を満足させるのを相手の役割にしている証拠であり、楽しいお付き合いは難しいですよね。

自分が人に何かをしたいと思うときも同様に、相手の状態や価値観を正しく見る目を忘れないことが、あたたかい絆を育てるコツといえます。

どんなにありがたい提案であっても、自分の事情が合わなければ受け入れることは難しく、断るしかない場面もあります。

そのとき不満を見せてくるような人は、こちらの好意を当然とし奪いたい気持ちがあるのでは、と感じます。

信頼は、それぞれの事情を認めあうことも大切ではないでしょうか。

(mimot.(ミモット)/ 弘田 香)

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