小学教員試験1.1倍、10年で最低/青森県

 青森県教育委員会は27日、今年実施した2024年度の公立学校教員採用試験の最終結果を公表した。応募者確保が課題となっている小学校の合格者は135人(前年度比1人増)で、最終倍率(競争率)は1.1倍と前年度より0.3ポイント下がり、過去10年で最も低かった。このほか、中学校3.4倍、特別支援学校2.8倍、全校種全体が3.3倍といずれも過去10年で最低だった。全校種の合計合格者数は316人と過去10年で最も多かった。

 小学校は定年退職者の増加などに伴って近年採用を拡大している一方、多忙というイメージなどからか応募者数は減少傾向にある。倍率の低下は全国的な課題で、教員の質維持が懸念されている。

 応募者確保に向けた県教委の制度で1次試験を免除された他県の現職正規教員は27人で、このうち17人が合格した。

 中学校は99人(前年度比10人増)が合格し、倍率は3.4倍(同0.7ポイント減)。高校の合格者は29人(同9人増)で、倍率は11倍(同5.9ポイント減)。特別支援学校は41人(同1人減)が合格し、倍率は2.8倍(同0.1ポイント減)。養護教諭は11人(同6人増)が合格し、7.8倍(同7.2ポイント減)だった。栄養教諭は1人が合格し、倍率は8.5ポイント増の18倍だった。

 全校種の合計合格者数は前年度比24人増の316人だった一方、最終倍率は0.5ポイント減の3.3倍と過去10年で最も低かった。特別選考はスポーツ枠と社会人枠で各1人が合格した。障害者枠の合格者はなかった。

 県教委教職員課の吉川満課長は「倍率は(一定程度)必要だと考えている。何倍が適正かは出ていないが、特に小学校の1.1倍は低い。応募者確保の取り組みを続け、青森県の受験者を増やしていくよう頑張っていく」と述べた。

 県教委は今年から、受験生の参考にしてもらおうと、校種・教科(科目)別の応募者数や1次試験と2次試験の受験者数、最終競争率なども公表した。

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