アメリカと日本のキャンプスタイルを比較!絶景写真とともにアメリカ在住ライターが解説します

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キャンプの本場「アメリカ」。国土の広いアメリカでは砂漠や山などさまざまな場所でキャンプが楽しめ、キャンプ人口も多く、オフロード、国立公園、グランピングなどそのスタイルは多岐に渡ります。今回は、キャンプ歴20年以上。日本とアメリカでキャンプを楽しむアメリカ在住の筆者が、アメリカのキャンプ事情や、キャンプのとらえ方の違いを紹介。アメリカのキャンプ場の予約方法も併せて紹介します。

アメリカでのキャンプの魅力は?

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アメリカのアウトドアの魅力はなんといっても雄大な自然美。もちろん、日本でもマイナスイオンをたっぷり浴びれる自然豊かな場所でキャンプは楽しめますが、日本より約26倍広いアメリカでは、その土地によって気候が異なるため、砂漠、海、森林などさまざまな自然美を堪能できます。

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そして、キャンプ場として整備されていない場所でもキャンプをすることができるエリアがあり、「キャンプにいくぞ!」と気合をいれなくとも、車を走らせ「今日はここでキャンプをしよう」という感じに、計画なしでもキャンプに行けるところも魅力です。

キャンプのとらえ方の違い

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国土が広いアメリカでは自然が身近にあり、学校の野外活動でキャンプをすることもあり、キャンプは日本よりも身近なもの。

そして、「キャンプ」への敷居が低く、すべて道具を揃えなくとも「車ひとつあればどうにかなる!」と考えている人も多く、「自然を楽しむ」に重点を置き、キャンプ飯やギアにこだわる人が少ないように感じます。

よって、1泊でキャンプに行く人は少なく、長い人は数週間キャンプ場にステイする人もいます。キャンプ場によっては「1週間以上連続で予約不可」など期間を決めている場所もあります。

キャンプスタイルの違い

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キャンプブームの日本では、さまざまなブランドよりキャンプギアが発売され、おしゃれで機能的で魅力的なものが続々発売されていますが、アメリカはキャンプに限らず「流行」に飛びつく人が少なく、良くも悪くも「自分のスタイル」を崩さない。

キャンプに行く人は頻繁に行きますが、行かない人はどんなに流行しても行かないという「中間層」が少ないように感じます。

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よって、日本のように「ロースタイルのチェアが流行」、「マルチグリドルが人気」などキャンプスタイルの「流行」は少なく、自分のスタイルを貫き、型にはまっておらず、私の知っている人は、テントなしでピックアップトラックの荷台にエアーベッドを敷いて寝るだけという人もおり、それぞれ自分自身で自然を楽しんでいます。

個人的には日本のように、「コンパクトで多機能」な最新キャンプギアを購入したいと思っていますが、アメリカでは手に入れることが難しく、車でキャンプに行くオートキャンプが主流のアメリカでは「コンパクトで軽量なもの」を探すのが困難。武骨で丈夫な大きなもののほうが人気です。

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家で暮らすように住みながら自然を楽しめる「キャンピングカー」を保有している人も多く、そのキャンピングカーの大きさは我が家よりも大きいものもあり、3つトイレがあったり、アイランドキッチン付きなど、さまざまなスタイルのキャンピングカーが販売されています。

キャンプ場の違い

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アメリカのキャンプ場はとにかくひとサイトが広い!私が好きなアンザボレゴ砂漠州立公園のキャンプ場は、隣のサイトは見えず、野生動物が訪れてくるだけといった感じで、静かで開放的。

以前、日本でフリーサイトにキャンプをしたとき、遅く到着したこともあり、テントを立てる場所を探すのが大変でした。スペースがある場所でも隣の人に気を使いながらテントを立てなければならず、オンシーズンのフリーサイトでキャンプをするのは大変だなと感じました。

アメリカのキャンプ場はフリーサイトはなく、「キャンプ場」として管理者がいる場合はすべてサイトが区切られており、車をそのサイトに駐車できます。

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ただし、長期キャンプをする人も多く、オンシーズンは国立公園にあるキャンプ場など人気のキャンプサイトを予約するのは一苦労。

以前、国立公園であった夫婦は、キャンプ場の予約を取るため、予約が可能になる日の朝に数台のパソコンを開いて予約をすると言っていたほど、特にコロナ後は予約が困難になっています。

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また、野生動物に遭遇する確率が高いのも特徴。ただし、熊やバッファローなど凶暴な動物も多いので、自分で自分の身を守る必要があり、熊が多い場所では、ベアーロッカーがキャンプ場にあります。

アメリカでキャンプ場を利用する方法

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キャンプ好きの人は、本場アメリカで「キャンプをしてみたい!」と考えている人も多いはずです。

すべてのキャンプ道具を持ってアメリカに来るのは大変ですが、テントや寝袋などは大手アウトドアショップでレンタルすることも可能。もしくは、アメリカでキャンプ道具を購入して帰るのも楽しいかもしれません。

アメリカのキャンプ場は「予約ができるキャンプサイト」と、予約ができず当日先着順の「First come First serve」の場所があります。

予約可能な場所は予約をするのが安全ですが、先着順の場合、特にオンシーズンは、チェックアウト時間より数時間前にキャンプ場に到着して、空いているサイトを確保しなければなりません。

First come First serveのキャンプサイトの利用方法

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予約している場合は、キオスクにチェックインすればOKですが、先着順の場合は、キャンプ場にスタッフがいない場合はが多く、どこのサイトが空いているかは自分で確認する必要があります。

まず、車でキャンプサイトを巡回して、空いているサイトを見つけるとそこに車を停めます。そうしないと、違うキャンパーにその場所がとられる恐れがあります。場所を確保できたら、キャンプサイト内のセルフレジスターにある封筒に車のナンバーや何泊するかを記入。

封筒はミシン目があり一部は切取りできるので、その部分を切り取り、封筒にキャンプ使用料を入れ、そこにあるポストに入れます。近年は、封筒にクレジットカードナンバーを記入できるものもありますが、念のためキャンプ代金の現金は持っていくようにしましょう。

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そして、自分のサイトに戻り、切り取った紙をそのサイトにあるポールにつければOK。

このポールに張り付ける紙はそのサイトが使用されているかどうかがわかる大事な紙なので、必ず自分が使用するサイトに付け、チェックアウトの時は、その紙を取り除いてください。

アメリカで人気のキャンプ場

■イエローストン国立公園
広大な敷地で長期キャンプする人が多い。国立公園内には数カ所キャンプ場があるが、夏場予約を取るのは困難。

■ザイオン国立公園
グランドサークルの中でも人気の国立公園。国立公園のキャンプ場は価格が安いので、そのため予約が取りにくくなる。

キャンプ場の設備は日本のほうが充実

多くのキャンプ場があるアメリカですが、日本のように大浴場や温泉、お湯がたっぷりでる炊事場など、施設が整っている場所は少なく、トイレは水洗トイレではない場所も多々あります。

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特に水場は日本のほうが断然充実。アメリカのキャンプ場のシャワーはコイン式でお湯が出にくい場所や、炊事場はなく、各キャンプサイトに蛇口があるだけという場合が多いです。

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キャンプ場ではない場所で野営する場合は、もちろん、水場やトイレはなく、水は各自持参しなければなりません。そして、トイレは、各自簡易トイレを設置したり、アウトドアトイレで、紙や大は持ち帰るのがルールです。

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オーバーランドやビーチリゾートのように過ごすなどキャンプスタイルはさまざま

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アメリカのキャンプスタイルはとにかくすそ野が広く、川や海辺でリゾートのような気分を味わいながら楽しめる場所から、砂漠の何もない場所など、さまざまな場所でキャンプが楽しめます。

「キャンプであれをしないと!これをしないと!」とセカセカすることなく、食べ物も「焼くだけ、お湯を入れるだけ」などシンプル。数泊するため、テントの設営や撤収にバタバタせず、日本よりも気合を入れてキャンプに行く人は少ないです。

また、ギアにこだわりを持つ人も少なく、他人を気にぜず、フライパンや鍋などは家で使用しているものを持っていく人がほとんど。キャンプ用と家用を使い分けず、家の暮らしの延長としてキャンプに来ているため、キャンプギアにお金をかけていない人が多いのもアメリカのキャンパーの特徴ですね。

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