愛され51年 長寿カメ 富山県入善町の高見さん飼育、犬のように懐き散歩も

高見さん宅で飼われている長寿のカメ

 富山県入善町入膳の高見政枝(まさえ)さん(79)宅で飼われているカメが、51年以上生き続けている。クサガメという雑食性の水生種で性別は雄。専門家は快適な飼育環境が長寿につながったとみる。

 カメは、1972年6月に町内であった「観音祭り」で当時2歳だった次男に買ってあげたもの。次男が独立後も高見さんが面倒を見続け、高見さんの行く先々をついて回るなど犬のように懐いている。甲羅の長さは19センチ。飼育を始めた頃から2倍ほどになった。

 普段は玄関先の衣装ケースで飼っているが、外に出すと高見さんの後をついて歩く。「甲羅をなでたり声をかけたりすると喜ぶのでかわいい。食欲旺盛で刺し身が大好物」と目を細める。この他にも3匹のカメを飼っており、いずれも40年以上生きている。

 水は小まめに替えて汚れに気を付け、夏場の高温にも注意する。11月からの冬眠期間中は、ケースに断熱材や毛布を詰め、温度変化がないように気を配る。

 爬虫(はちゅう)類と両生類の体感型動物園「iZoo(イズー)」(静岡県)の白輪剛史園長は「クサガメは40年ほどの寿命なので長寿と言える。環境変化が少ない場所で悠々自適に飼われ、冬眠のさせ方が上手なのだろう。まだまだ生きる可能性もあり、大切に育ててほしい」と話している。

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