産卵ウミガメ、衛星で追跡 絶滅危惧、保護へ生態解明

発信器を装着されたアカウミガメ=和歌山県みなべ町(日本ウミガメ協議会提供)

 産卵期のアカウミガメがどのような回遊経路をたどり活動しているのかを解明しようと、NPO法人「日本ウミガメ協議会」(大阪府)がカメに発信器をつけ、人工衛星を利用し追跡する調査に取り組んでいる。アカウミガメは絶滅が危惧され、個体の増減を大きく左右する雌の生態を把握し保護につなげる狙いだ。

 アカウミガメは甲羅の長さが70~100センチ。日本は世界有数の産卵地で北太平洋では唯一。主に太平洋側の砂浜で産卵する。生まれたカメは黒潮に乗り太平洋を5~7年で横断し、ハワイ周辺を経由しカリフォルニア半島沖に到達。成長後再び太平洋を渡り日本に戻って交尾、10日~3週間の間隔で3、4回産卵する。

 調査では和歌山県みなべ町の砂浜に来た個体に産卵期の6、7月、発信器を装着。2019年から毎年2匹ずつ追跡、22年までに8匹を調べた。

© 一般社団法人共同通信社