アイデアおもしれぇ…走れメロスがお菓子に、京都の老舗が天才的

10月27日から始まった読書週間。「読書の秋」とも言われる今シーズンにぴったりな一冊・・・ではなく「和菓子」が、創業1803年の老舗和菓子店「亀屋良長」(本社:京都市下京区)で販売されている。

京都の老舗和菓子屋「亀屋良長」が手がける「文菓子 走れメロス」

「アイディアおもしれぇ」「活字好きにはたまらない一品だと思います。視覚情報だけでなく、味覚からも作品を味わえるなんて」「国語の先生やってる友達に贈りたい」と、SNSで関心を集めている同和菓子。今回登場した「文菓子」は、多くの人に和菓子のおいしさだけでなく、表現力の豊かさを楽しんでもらうために作られた、新しいコンセプトの和菓子だという。

シリーズ第1弾は、太宰治の短編小説『走れメロス』。ハードカバーの本を模したパッケージを開けると、物語の書かれた冊子と4つの和菓子がお出まし。文中の色付きの一文に合わせ、その情景を思い浮かべながら、ひとつずつ和菓子を楽しんでいくという仕掛けだ。

付属の小説を読み進めると登場する、色付きの一文にあわせて、ひとつずつ和菓子を楽しむという仕掛け

例えば、「メロスは激怒した。」という1文に対しての菓銘は『激怒』。メロスの怒りを唐辛子や柚子胡椒など、スパイスを効かせた「吹き寄せ」に詰め込んだという。また「まだ陽は沈まぬ。」の一文に対しての菓銘は『夕陽と共に来たる』。日没直前に到着したメロスと友情に改心した王、そして美しい夕景が「マイタイ羊羹」で表現され、ラム酒入り黒蜜は夜への移ろいを表している。

さっそくSNSには、「気になり過ぎて注文してしまった」や「メルマガが届いたばかりなのに気づいたら注文していた。『メロスは激怒した』が『吹き寄せ』になる解釈はなぜか納得。到着が楽しみ」など、多くの人がそのメルヘンな内容に夢中になっている様子。『文菓子 走れメロス』(3499円)は、「亀屋良長」本店または、公式サイトにて販売中(なくなり次第終了)。

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