宮下青森県知事が開催要請「エネルギー共生会議」初会合は11月末 国、県、事業者のトップ一堂に

 県内の原子力施設と立地地域の共生に向けた方策を検討する「(仮称)エネルギー共創・共生会議」の初会合が、11月末にも青森市内で開かれることが27日、関係者への取材で分かった。経済産業省資源エネルギー庁が主導し、宮下宗一郎知事をはじめ、関係自治体や県内に原子力施設を立地する事業者のトップらが一堂に会する見通し。

 8月29日に首相官邸で開かれた「核燃料サイクル協議会」で、宮下知事が松野博一官房長官らに共創・共生会議の新設を要請。西村康稔経産相が「早期に設置したい」と応じていた。

 関係者によると、初会合は11月28日ごろを予定。メンバー構成は宮下知事、県内で再処理工場や原発といった原子力施設を手がける事業者の社長ら、立地自治体4市町村長、資源エネルギー庁長官、関係省庁の幹部らが中心となる見込み。

 同会議は複数回にわたって開き立地の各地域が抱える課題について協議する。サイクル協議会で宮下知事は、青森県の「国策に翻弄(ほんろう)され続けた歴史」に言及。道路網を含めた社会資本整備が途上である現状や、医療水準、県民所得の低さを引き合いに出しながら会議体の設置を要請し、「解決の道筋を国と一緒につくりたい」と述べた経緯がある。

 県内の主な原子力施設を巡っては、日本原燃が六ケ所再処理工場(六ケ所村)の完成目標を「2024年度上期のできるだけ早期」と掲げ、東北電力は東通原発(東通村)の再稼働を目指す。電源開発(Jパワー)は大間町、東京電力は東通村で原発を建設中。リサイクル燃料貯蔵(RFS)はむつ市で、使用済み核燃料中間貯蔵施設の稼働へ向けた手続きを進める。

 資源エネルギー庁は「これから稼働していく施設と地域が共生するための課題を洗い出し、どう解決するかを議論する場になる」(原子力立地・核燃料サイクル産業課)とした。

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