長崎県教委 児童生徒に初アンケート 理想の学校や教育に意見、提案 校内外での学びに意欲も

理想の先生はどんな先生か

 「理想の先生は」「放課後の居場所は」…。長崎県教委は、子どもの意見や要望を教育施策などに反映させようと、公私立学校の児童生徒に初のアンケートをした。教育政策課は「校内外での学びに対して意欲がみられた。自由意見も多く、自分で意見を言いたいという思いも強い」と分析した。
 7月、小学校(5、6年)、中学・高校、義務教育学校、特別支援学校(小学部5年以上)の児童生徒に実施。ウェブ上の調査で対象者の約1割の1万26人が答えた。
 「理想の先生」を答える選択式の設問では「授業の教え方が分かりやすい」が小中高すべてで65%以上で最多。「ユーモアがある、面白い」「どの子どもにも公平に接する」が小学生30%台後半、中・高生が40%台で並んだ。「子どもの意見に耳を傾けてくれる」の設問には、小学生は22%だったのに対し、高校生は34%で、年齢が高くなるに従って増えた。
 「放課後に過ごす居場所で利用したい場所」(選択式、複数回答可)は「大人に見守られながら勉強、ゲーム、飲食など自由に過ごすことができる場所」が小学生は63%、中学生は53%でトップ。高校生は「安い金額で地域の人々から勉強やスポーツを教わることができる場所」が48%で最も多かった。
 「分からないこと・調べたいことがある時に調べる方法」(同)は、スマートフォンやタブレットが全校種で最多だった。
 理想の学校や教育についての自由記述は、5560人が回答した。授業や宿題など、勉強に関することが最も多い2376件。学校で配布されるタブレットやパソコンの活用を希望する意見などが目立った。
 学校行事では、児童生徒自らが企画するレクリエーションや文化祭のほか、地域・他校との交流などを要望。不登校や悩みがある児童生徒が気軽に相談できる場や仕組みの提案もあった。勉強する場所として、放課後の教室開放や、校外で勉強ができるスペースの設置を求める声も挙がった。
 県教委は結果を県の他部局や市町とも共有する。施策への反映状況も公表し「意見を言うことの大切さを知り、社会に参画する気持ちを育てていきたい」としている。

「理想の学校や教育」の主な意見や提案

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