「部分月食」全国各地で観察チャンス、10月29日明け方から

写真を拡大 部分月食の様子(東京の星空、国立天文台ホームページより)

月の一部が地球の影に入って欠けたように見える部分月食が、10月29日明け方に起こる。国立天文台などによると、天候が良ければ部分食の始まりから終わりまでをほぼ日本全国で見ることができるという。

月食とは

月食は、月が地球の影に入ることによって起こる。地球の影(本影)によって全てが隠される「皆既月食」と、一部が隠される「部分月食」があり、10月29日に起こるのは部分月食。

⇒全国各地の天気は

部分月食、見えるのはいつ

月が欠け始めるのは午前4時34分ごろ。月は徐々に地球の影に入り込み、午前5時14分ごろに月が最も欠ける。その後、月は徐々に地球の影から抜け出し、午前5時53分ごろに部分食が終わる。「部分食の始まり」や「食の最大」「部分食の終わり」の時間、「食の最大」時の食分は、観察する場所に関わらず同じとなる。

どこで見える

天候が良ければ部分食の始まりから終わりまでをほぼ日本全国で見ることができる。小笠原諸島などでは、月が欠けたまま沈む「月入帯食(げつにゅうたいしょく)」になる。

観察のポイント

多くの地域で、部分食が終わっ間もなく月の入りとなる。特に部分食が終わるころには月の高度が低くなるため、西の空が開けた場所で観察するとよさそうだ。国立天文台の担当者によると「肉眼でも端の方が少し暗くなっているのは分かる」という。また今回の月食は、月の直径の12.8%までしか地球の影に入り込まない。大きく欠けないうちに月食が終わるため、見逃さないよう注意しよう。

主な都市における予報(時刻と月の高度)

次の部分月食はいつ

次回の部分月食は2024年9月18日になるが、日本からは見えない。2025年3月14日の皆既月食では、日本の一部から部分月食が見えそうだ。

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