バスが来ない、キャディが来ない 中野麟太朗&松井琳空海のドタバタモーニング

強風の3日目を「74」で耐えた(撮影/内山孝志朗)

◇アジアパシフィックアマチュアゴルフ選手権 3日目(28日)◇ロイヤルメルボルンGC(オーストラリア)◇7055yd(パー71)

カットライン上で決勝ラウンドに進出した中野麟太朗。午前7時22分のスタートを控えた3日目の早朝、宿泊ホテルでコース行きのシャトルバスを待っていた。

が、いつまで待っても来ない…。「バス(の発車間隔)が30分おきに変わっていたらしくて。公式サイトには20分おきって書いてあったんですけど…」。120人が出場した予選2日間は20分に1本だったバスが、67人による決勝ラウンドからはバスも30分に1本に減っていたことに気が付かなかった。

中野麟太朗はスタート45分前にコースに到着(撮影/内山孝志朗)

5時40分発のバスに乗ろうとしていたら、スタッフから言われたのは「次は6時だよ」。焦る気持ちを抑えて乗り込んだが、出発も10分遅延。結局、配車アプリで手配した車でコースに向かい、到着したのはスタートの45分前だった。

ドライビングレンジでのウォーミングアップは、いきなり6Iのフルショットから始めた。20球ほどしか打てず、残り10分でグリーン上でのタッチを確認。1番ティへと向かった。「(発車間隔の変更を)知らなかった。普通はそう(同じ)だろうって思っちゃって…。でも、準備不足ですし、やっちゃいけないこと。何も成長してない」と反省した。

ドタバタのままコースに飛び出し、前半9ホールで「40」をたたいたが、後半は10番(パー5)でイーグルを奪うなど「34」でプレー。強風で苦しむ選手が多い中、3オーバーで耐えしのいで42位に浮上した。「(ハーフを)初めてアンダー(パー)で回れたので、そういう面は成長していると捉えたい」と前を向き、「30位以内を目指して。アンダーで回って気持ちよく日本に帰りたい」とラスト18ホールを見据えた。

松井琳空海の3日目は「77」(撮影/内山孝志朗)

同じ朝、松井琳空海(まつい・りうら/香川西高2年)が待っていたのは、バスではなくキャディだった。こちらはコースで、2日目までコンビを組んだキャディが現れず大会に確認したところ、決勝ラウンドではさらに別のキャディの手配が必要だったことが「スタート1分前」に分かった。

急きょキャディを務めてくれた女性(左)と記念写真に収まった(撮影/内山孝志朗)

たまたまその場にいたコース関係者の女性がキャディを務めてくれたことで、無事にスタート。「めちゃくちゃいい人で、落ち込んだときもハイテンションで盛り上げてくれた」と急造タッグの相性はバッチリだったが、強風に苦戦し1バーディ、7ボギー「77」で21位に後退した。3日間でのワーストスコア。「風が強かったけど(自分の中で)ベストのプレーをした。今持っている力を全部出した結果だし、これが実力」と話した。

前週アラブ首長国連邦での「世界アマチュアチーム選手権」から続いた海外での試合も、残りは18ホール。16歳は「アンダーを1回も出してないので、アンダーを目標に楽しみたい」。若さも武器に、世界に立ち向かう。(オーストラリア・メルボルン/内山孝志朗)

「今持っている力を全部出した」(撮影/内山孝志朗)

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