山田高V5 終始主導権 突破力と堅い守備光る/全国高校ラグビー県予選

県予選会5連覇を果たし、笑顔で記念写真に納まる青森山田フィフティーン=28日午後、青森市の新県総合運動公園球技場
【青森山田-青森北】後半17分、青森山田のSH池田(中)がゴールライン前のラックから抜け出しトライ、33-5とリード=新県総合運動公園球技場
県予選会決勝で6本のゴールキックを全て成功させた青森山田のSO藤春
前半24分、青森北のCTB田村(中央)がラックから押し込んでトライを決め5-21と追い上げる

 第103回全国高校ラグビー大会県予選会は28日、青森市の新県総合運動公園球技場で決勝を行い、青森山田が青森北を42-5で下し、5年連続5回目の全国大会出場を決めた。青森山田は前半2分、スクラムからFB大西がトライを決め先制。同8分はナンバー8アントニオ、同13分はWTB大方がいずれも守備の隙を突いて単独で突破し追加点を奪った。同24分に今大会初失点を喫したものの、後半も攻守で実力を発揮し2トライ。SO藤春が試合を通じて6本全てのゴールキックを決めるなどし、快勝した。全国大会は12月27日に大阪府東大阪市の花園ラグビー場で開幕する。

▼突破力と堅い守備光る/山田高

 青森山田は鍛え上げた力と速さを生かした突破力に加え、堅いディフェンスが光り、粘る青森北に試合の主導権を渡さなかった。

 青森山田は序盤からFW、BKが一体となった得意の展開ラグビーを発揮。前半2分、キックを起点に、FB大西が先制トライ。中村主将が「最初のトライでムードをつくれた」と話すように、同8分にはナンバー8アントニオ、同13分にはWTB大方が抜け出してトライを奪い、試合を優位に進めた。

 だが、前半24分、シンビン(一時退場)により1人少なくなった場面で、青森北にトライを決められると、降りしきる雨の中、手元が狂い、パスミスからゴールライン手前まで攻め込まれる場面が増えた。ここで重量級のFW陣を中心にチーム一丸で踏ん張り、最少失点に抑えた。

 「ミスが多かったが、トライを取られた後、ディフェンスが頑張ってくれた」と橋本監督。

 後半、両チームとも点数を奪えない我慢の時間が続く中、2年生のSH池田が2トライを決め、勝負を決めた。池田は「みんながつないでくれた。ボールをもらったらトライを取りにいくと決めていた」と、してやったりの表情で話した。

 5年連続でつかんだ花園切符だが、過去4年は2回戦敗退。橋本監督と中村主将は「コミュニケーションを取りながら、パスのミスをなくして花園に臨む。今年こそ、シード校を撃破したい」と、2回戦の壁突破に向け、力を込めた。

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