高岡の名物焼き型継承 大仏焼2代目から3代目へ 寺で繁栄祈願

藤本さん(右)から焼き型を受け取る中田さん(左)と見守る定塚社長=高岡市の大仏寺

 高岡大仏をかたどった焼き菓子「大仏焼(だいぶつやき)」の焼き型の安全繁栄祈願法要が28日、高岡市の大仏寺で営まれた。約20年にわたって大仏焼を焼いてきた藤本慶藏さん(83)=氷見市=から、中田晶子さん(53)=富山市=に焼き型が引き継がれ、中田さんは「藤本さんのこれまでの思いも背負って続けていきたい」と力を込めた。

 大仏焼は鋳物メーカー北辰工業所(高岡市)の定塚康宏社長(71)によって約25年前に考案され、藤本さんに引き継がれた。藤本さんは新商品を開発しながら販売を続けてきたが、年齢を重ねて体力的に継続が困難と判断し、中田さんを後継者に選んだ。

 法要では定塚社長、藤本さん、中田さんの3代が顔を合わせた。大仏寺の北角良粋住職が読経し、藤本さんから中田さんに、大仏焼の焼き型と3代目を承認する証書が手渡された。定塚社長は「長い間、大仏焼を続けてくれた藤本さんに感謝したい。中田さんには食を通して高岡をPRしてほしい」と話した。藤本さんは「自由な形で末永く続けてほしい」と期待した。中田さんは「新しい味やPRの手法を考えたい」とさらなる発展に意欲を示した。

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