春の高校バレー県予選前特集 男子(2) 団結力で4強の壁を破り、頂点を目指す鶴崎工業 【大分県】

全日本バレーボール高校選手権大会(春の高校バレー)の県予選が間もなく始まる。男子は17チームが参加、ここではシード4校を紹介し、大会の戦い方を展望する。第2回は4強に定着してきた鶴崎工業。

近年メキメキと力を付け、ベスト4の常連となった鶴崎工業。春の高校バレー県予選では4強の一角として、悲願の優勝を目指す。

県高校総体後、ほとんどの3年生が抜け、一足早く1、2年生中心のチームとなった。3年生中心の他チームに比べると経験不足は否めないが、不安材料ばかりではない。二宮裕和監督が「どこまでやれるか楽しみでもある」と話すように、選手のポテンシャルは総じて高い。

そのポテンシャルを引き出すために、夏以降は体力づくりとともに、レシーブなどこれまで弱かった部分を徹底的に鍛えた。成果は着実に現れており、特にミドルブロッカーの佐藤大雅(2年)、アウトサイドヒッターの糸長泰慎(同)など攻撃陣は大きく力を伸ばした。攻撃陣を支えるキャプテンでセッターの高橋駿介(同)、身体能力の高さに定評があるリベロの永井来輝(1年)の仕上がりも上々だ。「体力を付けたことでスパイクは威力を増し、スピードも上がった。あとはどれだけいい状態で打たせることができるかにかかっている」(二宮監督)。現在は、一人一人が自分の役割を自覚し、どうすればより良いプレーにつながるのかを考えながら練習に取り組んでいる。

体力強化でスパイクの威力が増した

唯一の3年生であり、攻守の要としてチームに貢献する長身のミドルブロッカー平山隼の存在も大きい。バレーボールを始めたのは高校生になってからだが、短期間で力を付け、今年は国体九州ブロックのメンバーにも選ばれた。「1年生後半の時期からスタメンで試合に出ている。これまで支えてくれた全ての人に感謝の気持ちを持って戦い、後輩に何か一つでも残したい」と強い責任感と3年間の思いを胸に試合に臨む。チームの精神的支柱としての役割も担っており、勝敗の鍵を握る選手となりそうだ。

「最後は組織力」(平山)、「試合に出る人、出ない人、関係なく一つになる必要がある」(高橋)。選手たちが口にした言葉からは、団結力の強さが伝わってくる。団結力という絆はベスト4の壁を破る一番の原動力となるに違いない。

まずは決勝進出を目指す

(甲斐理恵)

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