鍋シーズンなのに猛暑影響で野菜高騰、一時は白菜1玉が600円 白ネギやトマトも2~3割以上値上がり

店頭に並ぶ白菜を見定める買い物客=10月27日、福井県坂井市のPLANT-2坂井店

 今夏の猛暑の影響で西日本の野菜産地で生育不良が発生し、白菜や白ネギ、トマトなどの価格が例年よりも2~3割以上高騰している。鍋がおいしくなるシーズンだけに、店頭で値段を気にしながら購入する主婦らの姿が見られた。

 PLANT(本社福井県坂井市)で野菜の仕入れを担当する青果チームの山田敏博リーダーは「お盆が明けてから2カ月近く高騰が続いている」と話す。同社の店舗では、例年130~160円程度の白菜半玉の値段が10月27日は213円。1玉の値段は1週間前に約600円になったこともあった。白ネギは258円前後、トマトも1玉200円~250円程度で推移し、いずれも例年より2、3割以上高くなっている。

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 例年であれば、野菜の出荷元は気温の低下とともに東日本から西日本に移り変わる。関係者によると、今年は猛暑によって西日本で野菜の生育不良が目立ち、産地の“リレー”が途切れる格好で9月ごろから仕入れ不足が発生している。ヤスサキ(本社福井市新保北1丁目)の中山雄基青果バイヤーも「産地の入れ替わりの端境期となり、価格が上がっている」と説明。大根やニンジンも同様に値上がりが続いているという。

 坂井市内のスーパーで買い物をしていた40代の女性は「夏場から値上がりが続いている感じだ。これから鍋の季節になるので値段が高いのは困る」と話していた。

 各社ともサイズの小さいものを販売して価格を抑えるなど工夫を凝らすが、11月下旬ごろまでは価格の高騰が続くとみられる。

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