「皇室献上」と聞けばていねいな作業もむべなるかな 「不老長寿の果物」ムベかごに詰め

皇室に献上するムベの実をかごに詰める深井宮司(左から3人目)や氏子総代たち=滋賀県近江八幡市役所

 不老長寿の果物といわれる「ムベ」を皇室に献上しようと、滋賀県近江八幡市北津田町の大嶋・奥津嶋神社の宮司らが10月26日、市役所でかご詰め作業をした。市を通して宮内庁へ届けた。

 ムベは、アケビ科の一種でゼリー状の実がなり、味は素朴な甘みが特徴。天智天皇が狩猟で奥島(現在の同市島町)を訪れ、出会った老夫婦に長生きの秘訣(ひけつ)として差し出された果肉を食べ「むべなるかな(もっともだ)」と言ったことが名前の由来とされる。住民が献上を続けており、1982年に途絶えたが2002年に復活した。

 この日は深井克宣宮司(48)や氏子総代2人、小西理市長が赤紫色の実をかごに入れていった。氏子総代の一人、南光男さん(69)は「代々、伝えてきた献上を今年も無事にできてほっとしている」と話した。

滋賀県近江八幡市

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