「保津峡」切り開いた火あがめる、亀岡の請田神社で秋祭り大祭

八幡宮社で火の周りを回る真榊を持った子どもたち(亀岡市保津町)

 「保津の火祭り」と称される請田神社(京都府亀岡市保津町)の秋祭り大祭の宵宮祭が21日夕方から夜にかけてあった。冷え込んで時折小雨が降る中、高張提灯や真榊(まさかき)、太鼓などを持った氏子らの行列が集落を練り歩いた。一行は頓宮(とんぐう)の八幡宮社にたどり着き、子どもたちが火の周囲を回り、保津峡を切り開いた火をあがめた。

 氏子らは同日夕、請田神社に丹波地域を開拓したとされる祭神を迎えに行き、町内にある荘園政所に移した。午後7時過ぎから約130人の行列が八幡宮社へ向かってゆっくりと歩き、見物していた人たちは暗闇に真っ赤な提灯がずらりと並ぶ幻想的な光景に見とれていた。

 一行は同8時ごろに八幡宮社に到着。稚児や祭神が乗り移った真榊を持つ子どもらが、けがれを落とすために燃えさかる火を数周した。保津小4年の児童(10)は「行列の時は寒かったけど、火の回りは暑かった。みんなと歩けて楽しかった」と話していた。

 22日には本宮祭があり、祭神が請田神社へ戻った。

「保津の火祭り」の行列で太鼓を打ち鳴らす子どもたち(亀岡市保津町)
保津町の集落内を練り歩く高張提灯の行列(亀岡市保津町)

© 株式会社京都新聞社