チャン・インターナショナル・サーキットで開催された2023年MotoGP第17戦タイGP。29日に行われた決勝レースで、レプソル・ホンダ・チームのマルク・マルケスは6位でポイントを獲得。ジョアン・ミルは12位でレースを終えた。
また、日本勢の中上貴晶（LCRホンダ・イデミツ）は14位。右足の再手術を受けたアレックス・リンス（LCRホンダ・カストロール）はタイGPを欠場している。
26周で行われた決勝は、シーズンを通じて最もエキサイティングなレースのひとつとなった。スタートのシグナルが消えてからゴールの瞬間まで手に汗を握る戦いが続き、スタンドにつめかけた大観衆の熱狂的な声援の中で、レプソル・ホンダ・チームの両ライダーは、力強い走りでファンを喜ばせた。
予選7番手から決勝に挑んだマルケスは、オープニングラップから積極的な走りをみせる。
チャン・インターナショナル・サーキットは、タイムが接近しやすいサーキットのため、序盤はすべてのコーナーでポジションを入れ替える激しい展開となる。その中でマルケスは、アレイシ・エスパルガロ（アプリリア・レーシング）やドゥカティ勢のライダーとバトルを繰り広げました。その中でも、MotoGPクラスで総合首位につけるフランチェスコ・バニャイア（ドゥカティ・レノボ・チーム）との6位争いはファンを熱狂させた。
このバトルはレース中盤まで続いていく。その後、マルケスはトップ10内をキープする走りに転じ、中盤以降はファビオ・クアルタラロ（ヤマハ）と7位争いを繰り広げる。ポジションを入れ替えるたびにマルケスの応援席から大きな歓声が上が離、最終的にマルケスは7位でチェッカーを受けた。レース後、5位でチェッカーを受けたエスパルガロに3秒加算のペナルティが科され、最終結果は6位となった。
チームメートのミルは、土曜日のスプリント同様、19番グリッドから見事な追い上げをみせる。オープニングラップで14番手に浮上すると、レース中盤には13番手へ。そして終盤には11番手までポジションを上げていく。
最終ラップにフランコ・モルビデリ（モンスターエナジー・ヤマハMotoGP）に交わされ12位でチェッカーを受けた。
中上はオープニングラップを16番手で終える。その後、厳しい戦いの中で17番手へとポジションを落とすが、終盤にかけてジャック・ミラー（レッドブルKTMファクトリー・レーシング）、ラウル・フェルナンデス(クリプトデータRNF・MotoGPチーム)をパス。さらに、マーベリック・ビニャーレス（アプリリア・レーシング）がリタイアしたことで14位でフィニッシュを果たし、ポイントを獲得した。
■マルク・マルケス（決勝：6位）
「今日は本当にエキサイティングなレースだった。スタート直後からバトルがあり、序盤はどこを見てもライダーがいるという接戦になった。アレイシ・エスパルガロ、フランチェスコ・バニャイア、そしてファビオ・クアルタラロといいバトルができた。どれも厳しいバトルだったが、とても楽しかったよ」
「ただ、序盤にかなりがんばったのでタイヤが消耗してしまい、ややペースを落としてしまった。しかし、全体的にポジティブな週末だったね。インドネシアGPでは転倒、オーストラリアGPは15位という厳しいリザルトだっただけに、3連戦最後のレースで自信を取り戻すことができたのは、本当にポジティブだ」
■ジョアン・ミル（決勝：12位）
「今日も着実なレースになった。レース序盤からいいポジションを獲得することができ、自分のペースはトップ5にかなり近いものだった。しかし、序盤からペースを上げたためにタイヤが消耗し、ラストの5周は厳しい走りとなった。それまではコンスタントな走りで前進することができていたと思うよ」
「100％力を出し切った。今日の順位は、これまでの努力が反映されたものではないと思うが、それでも、確実に前進している。今、もっとも重要なのは予選でいいグリッドを獲得すること。レース中のペースは悪くないので、集中して取り組みたい」
■中上貴晶（決勝：14位）
「今日はフロントにミディアム、リヤにハードを選択しました。フロントのフィーリングはよかったのですが、リヤタイヤのマネジメントが難しいレースでした。序盤は思うようにペースを上げられませんでしたが、中盤以降は1分31秒台のペースで周回でき、その結果、14位でポイントを獲得できました。目標とするトップ10には届きませんでしたが、今大会は、いくつかのポイントで前進することができたと思います」
■アレックス・リンス（欠場）
