全障スポかごしま大会第2日 バレー 聴覚男子・価値ある3位 聴覚女子・堂々の4位 成長実感

【バレーボール聴覚男子3位決定戦、長崎―鹿児島】第1セット、長崎のエース長岡(県立ろう教、右端)がスパイクを決めて17点目=鹿児島市、南栄リース桜島アリーナ

 特別全国障害者スポーツ大会「燃ゆる感動かごしま大会」(全障スポ)第2日は29日、鹿児島県内各地で14競技が行われ、長崎県勢はバレーボール聴覚の男子が3位決定戦で鹿児島を2-0で下して銅メダルを獲得した。女子は3位決定戦で鹿児島に0-2で敗れたが、堂々の4位で大会を終えた。
 陸上勢は知的少年男子100メートル(区分27)の9組で臼木大悟(十八親和銀行)が11秒27、13組で大石祥(東洋食品)が12秒27で優勝。臼木は28日の200メートルと合わせて、2年連続2種目Vを飾った。聴覚女子2部50メートル(区分26)の青見淑子(希望が丘高等特支教)も10秒08、肢体男子1部ソフトボール投げ(区分14)の川尻幸(九州文化学園高)も8メートル65で頂点に立った。
 水泳勢は肢体男子1部50メートル自由形(区分9)の森田悠月(土井首中)が33秒35の大会新で優勝。肢体女子1部50メートル自由形(区分21)の山口愛葉(虹の原特支)も59秒69でトップゴールした。森田は28日の25メートルバタフライ、山口も25メートル自由形と合わせて2冠に輝いた。
 卓球勢は肢体女子1部(区分1)で髙橋姫菜乃(チーム愛・長崎)、知的青年女子(区分18)で太田歩美(三菱重工業)が優勝。太田は2年連続で金メダルを手にした。
 最終日は30日、各地で4競技を実施した後、鹿児島市の白波スタジアムで閉会式が行われる。

◎継続とつながりの強さ証明

 継続とつながりの強さでつかんだ銅メダルだった。2014年の全国障害者スポーツ大会「長崎がんばらんば大会」に向けて、11年前に産声を上げたバレーボール聴覚男子チームが、今年も全国の舞台で躍動。発足時から主力として活躍してきたエース長岡(県立ろう教)の「派手さはないが、人と人とのつながりがあるチーム。銅だけれど価値がある」という言葉に実感がこもった。
 1枠の九州予選を突破して、例年同様、日本一を掲げて臨んだ今大会。4強入りを懸けた28日の初戦で広島市に1-2で敗れた。小西監督(諫早特支教)は「硬さが出てしまった」、選手たちも「自分たちのバレーができなかった…」。悲願の金メダルの夢は、ここでついえた。
 だが、29日の地元鹿児島との3位決定戦は意地を見せた。長岡、聴覚障害者の国際総合大会「デフリンピック」に出場した経験がある吉田(長崎みなとメディカルセンター)の両エースを軸に、主将のMB中尾(東芝三菱電機産業システム)らが、持ち味である連係の良さ、速さを存分に披露。第1、2セットを25-17、25-16で連取して勝負を決めた。
 これでチームが手にしたメダルは通算4個目。仕事との両立、運営費、サポートする人材不足などの問題を抱えながら、みんなでコロナ禍を乗り越え、週末に集まって練習を続けてきた成果だった。小西監督が穏やかな笑みを浮かべながら、選手たちをたたえた。
 「長崎らしいバレーをしてくれて誇りに思う。これからも選手たちに頑張ろうという気持ちがある限り、僕らもお手伝いしていきたい」
 チームはまだ、夢の途中だ。

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