自分が愛猫を危険な目に…?人から猫にうつる3つの病気 それぞれの感染予防法も

1.結核

人から猫にうつる病気として危険性があるために注意が必要とされているのが結核です。結核とは、結核菌と呼ばれる細菌が原因で発症する感染症です。発症すると、肺をはじめとした臓器に炎症が生じ、呼吸などに支障が生じます。

実はこの結核は人間特有の病気ではなく、猫などといった他の動物にも感染・発症する病気なのです。犬は感受性が低いとされていますが、猫は人からの結核菌に対して高い感受性を持つとされています。そのため、人から猫にうつる可能性もあるのです。

ただし、猫の結核の場合は人間の症状と少し異なります。人のように肺に炎症が生じることはあまりなく、リンパ腫に炎症が生じたり食欲不振、体重減少、よだれの増加などが主に症状としてあらわれます。また、結核菌に感染していても、猫の免疫力が高い状態であれば症状が発生しないケースもあります。

逆に注意すべきは、免疫力低下中の感染。結核の感染を防ぐのは困難であるため、免疫力を高めておくことが最大の予防策です。適切な生活環境・習慣で健康的な飼育を心掛け、もしも体調が悪そうであれば早めに動物病院を受診しましょう。

2.新型コロナウイルス

世界中に大きな衝撃をもたらした新型コロナウイルスも、人から猫に感染する恐れがある病気です。報告例は少数ではあり、感染の詳細は定かではありません。

その一方で、人から飼育している猫や犬への感染、動物園において飼育員を介してトラなどに感染したケースなどが報告されているため、警戒は必要です。判明している感染猫の症状としては、呼吸器症状・消化器症状とされています。

新型コロナウイルス対策において有効なのは、アルコールなどによるこまめな手指消毒。ただ、猫にとってアルコールは有害なので、消毒する際は猫から離れることを意識しましょう。

ちなみに、猫から人への新型コロナウイルスの感染は報告されていませんが、猫同士においては感染させる可能性があるという実験報告はあります。

また、比較的新しい感染症であるため、わかっていないことも多く、感染ルートに関しても不明点が多いため注意が必要です。

3.皮膚糸状菌症

皮膚糸状菌症はカビの繁殖によって痒みなどを生じる皮膚の感染症です。皮膚糸状菌症は猫と人、環境間で感染する病気のひとつです。

猫の場合、顔や耳などの毛が円形に脱毛する症状があらわれます。飼い主さんが猫と接触することで感染するため、注意が必要です。

人から猫へ感染するケースは少ないですが、皮膚糸状菌症であることがわかった飼い主さんは、猫へと感染を広めてしまう危険性があるため、接触を控えるなどの配慮が必要となるでしょう。

基本的に真菌に感染するのは、免疫力が弱い子猫や老猫、病気やケガで弱っている猫たちです。免疫力が弱っている猫を飼っていて、飼い主さんが皮膚糸状菌症を患っている場合は、できるだけ患部を猫と接触させないよう心掛け早めに治療を受けさせましょう。

また、猫が皮膚糸状菌症を患った場合も、なるべく早めに動物病院を受診されることをおすすめします。薬を処方してもらう他、必要に応じて自宅でのシャンプーについて正しい方法を指導してもらえます。

まとめ

人から猫に感染する恐れがある病気は意外と多いです。大丈夫だろうと過信していると、飼い主さんが原因で猫に負担をかけてしまう懸念があります。

万が一、今回紹介した病気を飼い主さんが患った場合、できるだけ飼い主さんから猫を遠ざけてあげましょう。家族の方に協力してもらったり、知人に預かってもらうことも有効な対応です。

今回の記事を参考に、飼い主さんから猫に病気をうつさないよう気をつけてあげてください。

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