ゴルフ場の元外国籍拒否「差別」 クラブ入会、名古屋高裁

名古屋高裁=2020年

 元外国籍であることを理由にゴルフクラブ入会を断られ精神的苦痛を受けたとして、三重県桑名市の40代男性が、岐阜県可児市の「愛岐カントリークラブ」に慰謝料など330万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、名古屋高裁は30日までに、請求を棄却した一審津地裁四日市支部判決を変更し、77万円の支払いを命じた。27日付。

 片田信宏裁判長は判決理由で、入会拒否には合理的理由がなく「人種差別」に当たると指摘。クラブは一定の社会性を持った団体で、入会拒否はクラブの裁量権を逸脱し違法と結論付けた。

 男性側は法の下の平等を定めた憲法14条などに違反すると主張。今年4月の一審判決は、私的団体のクラブへの入会可否は理事会の裁量に委ねられているとし「権利侵害の程度は、社会的に許容し得る限界を超えるものとまでは認められない」と判断した。

 男性は取材に「明らかな差別との主張がほぼ認められて良かった。今後このような差別がなくなることを願う」とした。クラブ側の代理人弁護士は「判決文を見て、対応を検討する」とコメントした。

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