クマの死亡事故受け 出没エリアを緊急点検 被害防ぐために必要なことは?【長野・飯山市】

先月、飯山市で男性がクマに襲われて死亡した事故を受けて県はクマの出没地の緊急点検を始めました。現場にはクマが現れるだけの理由がありました。

■県クマ対策員・後藤光章さん
「クマの爪痕あるじゃないですか、こういう新しいところ。新しいクマの爪痕ね、こうやってひっかけて、登って行った跡と」

柿の木にはクマの爪痕。

■県クマ対策員・後藤光章さん
「肉球ですね、肉球。これが(クマの)手のひらの肉球ですよね。指の肉球ですよね」

この足跡はけさのものとみられます。

■記者
「飯山市の外様地区です。集落の裏にある柿の木。木の下のはクマが食べたとみられる柿が転がっています」

この地区では今月2度、クマの出没情報が寄せられました。集落もすぐ近くです。今年度は県内で人がクマに襲われる事故が9件発生。目撃情報もここ数年では多く推移しています。飯山市では14日、ワナにかかったクマに襲われたとみられる男性が死亡する事故も。この事故を受けて、県が出没地での緊急点検を始めました。

■県クマ対策員・後藤光章さん
「このへんが新しくついた爪痕ですね。このへんとか以前から何年も前でしょうね、これも。だいぶたっているのわかりますよね。こういう木だけでもピックアップして1年に1本でも2本でも減らすことが地域にとって大事だと思います」

この木から少し山を登ったところに足跡が。このクマは体長1メートル以上、けさ通ったと推測されます。その先には…薮が生い茂っていました。

■県クマ対策員・後藤光章さん
「こういうふうに、やぶが残っていると、やぶをつたっていけば夜中行けばね、やぶ伝いにそのまま柿の木までアクセスできてしまうという状況ですよね」

理想はこうしたやぶはすべて刈り取ることです。ただ現実的には難しく、やはり放置された柿の木を伐採することが必要だといいます。県の緊急点検は今月に出没情報があった県内およそ50カ所で来月14日まで実施。総合的な対策を検討します。

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