国際サッカー連盟(FIFA)は30日、スペインサッカー連盟(RFEF)の元会長であるルイス・ルビアレス氏に対して、3年間の資格停止処分を下したことを発表した。
【動画】性的暴行罪の可能性も、エルモソが訴えた会長からの合意のないキス
FIFAは30日に声明を発表。「ルビアレス氏は本日、FIFA規律委員会の決定内容を通知された。FIFA懲戒法の関連規定に従って、彼には動機のある決定を要請するための10日間の猶予が与えられており、要請があればその後、その決定は『legal.fifa.com』に掲載されることになる。この決定は、FIFA控訴委員会に対して控訴される可能性がある」としている。
また「FIFAは、すべての人々の誠実さを尊重し、保護し、品行方正な基本的ルールが守られるようにするという絶対的なコミットメントを改めて表明する」としている。
ルビアレス氏は、プロサッカー選手としてプレー。ディフェンダーとしてプレーし、バレンシアやアトレティコ・マドリーのユース出身。リェイダやレバンテなどでプレーしていた。
2018年5月にRFEFの会長に就任。女子サッカーに力を入れるなどしてきた中、2023年8月20日に不用意な行動が大事件に発展する。
オーストラリア&ニュージーランド女子ワールドカップ(W杯)ではスペイン女子代表が見事に初優勝。すると、表彰式でFWジェニファー・エルモソの唇に強引にキス。これが大きな騒動になった。
事件から一夜明け、8月21日には謝罪のメッセージ動画をアップ。ただ、これでは収まらずに辞任を要求。被害者であるエルモソは労働組合フットプロ(Futpro)を通じて声明を発表した。
するとFIFAも8月24日には懲戒手続きを進めることを発表。翌25日にはRFEFの臨時総会が開かれ、ルビアレス元会長が辞任を発表するかと思われていたが、まさかの潔白を主張。「キスは優勝の喜びを分かちあう自然な相互行為で合意はあった」とし、「偽りのフェミニストたちが私を殺そうとしている」とコメント。「辞任などしない」と高らかに宣言した。
これを受けてスペイン女子代表の選手たちは声明を発表し、招集に応じないボイコットを決断。これに多くの選手やOGが賛同して更なる騒動に。FIFAは26日に暫定的に90日間の資格停止を発表した。
28日にはスペイン検察当局はルビアレス元会長に対して、性的暴行疑惑で予備捜査を開始。ルビアレスの母が教会に立てこもってハンガーストライキを実施するなどしたが、最終的には9月10日に辞任が決定していた。
その後エルモソは正式に告発。事件に発展していく中、今回の決定が下された。