五輪までに復活はあるのか。苦戦を強いられるパリ世代3選手

パリ五輪まで1年を切り、同世代は激しいポジション争いを繰り広げている。レアル・ソシエダMF久保建英を筆頭に海外やJリーグで存在感を見せている選手は多く、将来日本サッカーを支える若手選手たちは大きな期待を受けている。

だが期待を受けるパリ五輪世代の中でも苦戦を強いられている選手たちがいる。彼らは10代のころから大きな期待を受けていたが、今季に入って苦しい状況に置かれている。

彼らの復活を期待して苦戦を強いられるパリ世代3選手を紹介する。

G大阪でも出場機会に苦しむ

中野伸哉

所属:ガンバ大阪

ポジション:左サイドバック、センターバック、右サイドバック

7月にガンバ大阪DF半田陸が練習中に左腓骨骨幹部骨折したため、サイドバックの補強でJ1サガン鳥栖DF中野伸哉に白羽の矢が立った。高校生世代でJ1で二桁試合に出場し、2021年にはセンターバックを中心にリーグ戦34試合出場と国内外で大きな注目を受けた。

左サイドバック、センターバック、右サイドバックなど守備的なポジションはすべてこなせるポリバレントな才能は光るものがあり、正確な先読みからのカバーリング、球際の守備、ビルドアップの緻密さなどDFに求められるタスクをハイレベルにこなした。

今季は出場機会に苦しんでおり、鳥栖ではリーグ戦4試合、G大阪では5試合と出場時間が500分未満となっている。本来のパフォーマンスを発揮できれば守備のスペシャリストとして期待できるだけにパリ五輪までに復活が望まれている。

まさかの大ケガでブレーキかかる

半田陸

所属:ガンバ大阪

ポジション:右サイドバック、センターバック

モンテディオ山形アカデミー出身の半田は主にセンターバックとしてプレーし、身体能力の高さと深い読みで危険地帯をカバーリングするクレバーなプレースタイルは世代屈指だった。

トップチーム昇格後は右サイドバックを主戦場に活躍。広範囲をカバーする守備範囲、危機察知能力に優れており、攻守両面において10代の若手選手と思えないパフォーマンスで山形のディフェンスラインを築いた。

今季からモンテディオ山形からG大阪へステップアップ。19試合1ゴール1アシストと主力として活躍するも、7月の練習中に左腓骨骨幹部骨折を負って長期離脱に…。今年3月に開催されたウルグアイ戦、コロンビア戦に向けた日本代表の初招集や、欧州移籍の噂などもあっただけに苦しい状況となってしまった。育成年代代表で長らくキャプテンマークを巻いた半田の飛躍に期待したい。

ブラジルでは未だ公式戦ゼロ試合

松岡大起

所属:グレミオ・ノボリゾンチーノ

ポジション:守備的ミッドフィールダー、センターバック

この世代で最も苦戦している一人が松岡だ。今年3月にJ2清水エスパルスからブラジル2部グレミオ・ノボリゾンチーノへ期限付き移籍をするも、これまで公式戦に1試合も出場していないほど苦しい状況に追い込まれている。

サガン鳥栖時代は守備的MFを中心に前線のサイドポジション、センターバック、右サイドバックなどチームに求められる役割を柔軟にこなした。本職のボランチで出場すれば激しい球際の守備でボールを奪い取るなど守備面で輝きを見せていた。

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昨季清水に移籍するも、チームの低迷を救うことができずJ2へ降格。そこから中々浮上のきっかけをつかみ切れていない。アジア大会に臨むU-22日本代表に選出されるも、決勝で韓国に敗れて2010年大会以来の優勝を逃した。ポテンシャルが高いだけに復活のきっかけをつかんでほしいものだが…。

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