セクハラ町議の辞職勧告決議案可決 青森・板柳町 法的拘束力なし「議員続ける」

佐藤議員に対する辞職勧告決議案を賛成7、反対3の賛成多数で可決した板柳町議会=30日午前

 板柳町議会の佐藤文俊議員(62)が町職員にセクハラ行為をしたとして厳重注意を受けた問題で、同町議会は30日の臨時会で、同議員への辞職勧告決議案を賛成多数で可決した。決議に法的拘束力はない。佐藤議員は閉会後の取材に「十分反省している。議員は続けていきたい」と述べた。

 決議案は松森俊逸議員(無所属)と長内良蔵議員(公正会)が連名で提出。松森議員は提出理由で「佐藤議員の無反省な様態は、被害女性の方々にさらなる苦痛を与えかねず看過できない」と述べた。また松森議員は、佐藤議員が町職員だった十数年前から女性職員の体を触るなどの悪質な行為があった-とも指摘した。

 当事者の佐藤議員が退席した上で起立採決した結果、賛成7、反対3(議長除く)の賛成多数で可決された。

 閉会後、佐藤議員は報道陣の取材に対し「十分反省し、今後はないようにする。心からおわび申し上げる」と謝罪。議員は続け、来年2月の同町議選にも出馬する意向を示した。一方で「今月11日に5、6分間の聴取のみで実名公表された。その経緯については納得できない部分もある」と話した。町職員時代のセクハラ行為に関しては「じゃれ合いの中ではあったかもしれない」と語った。

 臨時会では、議員のハラスメント行為を禁じる条文を加える町議会基本条例の一部改正案も全会一致で可決された。

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