「チームにとって重要」2戦連発の田中碧を指揮官も信頼、批判浴びる中での復活にチームメイトも賛辞「彼は簡単な状況ではなかった」

2戦連発弾の田中碧は今季3ゴールに[写真:Getty Images]

デュッセルドルフで輝きを取り戻した日本代表MF田中碧だが、急激に評価を上げているようだ。

今夏の移籍市場ではステップアップを目指したという田中。カタール・ワールドカップ(W杯)での活躍もあり、多くのクラブが関心を寄せた一方で、デュッセルドルフが設定した移籍金の高さから最終的には実らずに残留となった。

しかし、今シーズンは試合出場こそ重ねるもパッとしないパフォーマンスが続き、ドイツ国内では多くの批判的な言葉が投げかけられることに。移籍が実現しなかったことで、やる気を失っているともされていた。

それでも田中は、10月の日本代表活動に参加し、カナダ代表戦で2ゴールの活躍。クラブと代表でのパフォーマンスの差が揶揄されていたが、代表活動後に行われた21日の2.ブンデスリーガ(ドイツ2部)第10節のカイザースラウテルン戦で撃ち合いを制する2ゴールの活躍を見せていた。

さらに、27日のブラウンシュヴァイク戦にも先発出場。試合はチームが前半からゴールを重ねて1-3で迎えた中、後半アディショナルタイムに田中がダメ押しのゴールを決め、2試合連続ゴールを記録。今シーズン3点目を奪った。

急激に結果を残し始めた田中にはドイツ紙も手のひら返し。ドイツ『ビルト』は「ついに田中がフォルトゥナでプレーする気になった」と題して、復調ぶりを報じた。

チームを率いるダニエル・ティウネ監督は、カイザースラウテルン戦後には「レッド・サムライ」と日本代表のSAMURAI BLUEをもじって評価していた。

ブラウンシュヴァイク戦を受け、チーイムメイトであるベルギー人のジョルディ・デ・ヴィスは田中の活躍に敬意を表した。

「アオのことを本当に嬉しく思う。あそこから立ち上がるのは簡単な状況ではなかった。僕も海外に行ったことがあるが、全てがうまくいかないと不快になる」

「そこから彼は立ち上がり、自分がどれほど優れているか、そして僕たちにとってどれほど重要かを示す。それに対しては敬意を表したい」

また、ティウネ監督も田中に改めて言及。田中のことを見守り、感謝すべきだとした。

「私が思うに、しばらくは彼のことについてあまり話さない方が良い。むしろこの瞬間を感謝すべきだと思う」

「彼はチームにとって重要な存在であり、我々は彼をあまり引っ張ったり、前に押し出したりするべきではない」

「そして、それがクラブにどれだけの収入をもたらすかなど考えないで欲しい。彼はそこにいて、うまくやっているので、我々はそれを嬉しく思っている」

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