挑戦の大切さや失敗への向き合い方 元阪神の鳥谷さんが高校生らに助言「自分の選択、正解にする努力を」 兵庫

選択の重要性やチャレンジの大切さを語る元プロ野球選手の鳥谷敬さん=西宮市御茶家所町

 プロ野球・阪神タイガースなどで活躍した鳥谷敬さん(42)が挑戦の大切さや失敗への向き合い方を話す講演会が28日、兵庫県西宮市御茶家所町の大手前大学であった。タイトルは「君たちの未来がスタートしている」。鳥谷さんは高校生ら約300人を前に「自分で答えを出す、自分と向き合って生きることを大切にしてほしい」と語りかけた。(村上貴浩)

 4月の経営学部開設を記念し、大手前大が開いた。2千本安打やゴールデングラブ賞受賞を達成した鳥谷さんが、大学進学や就職を控える高校生らに人生観やキャリア形成を語った。

 「人生は選択の連続」と切り出した鳥谷さん。「選択するためには、とにかく多くのことに挑戦して自分の興味や可能性を知ることが重要」とし、自身も引退後にドラマや大食いなどに挑戦していると話した。

 そして「挑戦には必ず失敗がつきもの。失敗をどう受け入れるか」と続けた。現役時代、試合開始7時間前から球場でランニングなどをしていたといい「右足が張っていると分かれば、その状態でバッティングがどうなるかも分かるし、試合結果も分析できる。準備で次の失敗を回避できる」と説明した。

 プロ入りの際のエピソードも紹介。試合出場の可能性やメジャーリーグ進出などを見据えて悩んだ結果、三つの球団から阪神を選択したといい「選択を後悔するのではなく、自分の選択を正解にする努力が重要」と力を込めた。

 パネルディスカッションでは大手前大の平野光俊学長、講師の三宅麻未さんと対談。阪神退団時や、今年7月に脳腫瘍で亡くなった元チームメートの横田慎太郎さんとの話を交えた。

 友人と参加した高校1年生(15)=大阪市=は、剣道部に所属しているといい「大きな目標から逆算して日々のやるべきことをやる、という鳥谷さんの言葉が印象的だった。部活に取り組む時に生かしたい」と話した。

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