全国高校バスケ長崎県予選 男子・瓊浦24年ぶりV 女子・島原中央が初優勝 12月に全国大会へ

【男子決勝、瓊浦-長崎西】第1クオーター7分、瓊浦のフォワード森山がシュートを決めて11点目=県立総合体育館

 バスケットボールの第76回全国高校選手権(ウインターカップ)長崎県予選最終日は30日、長崎市の県立総合体育館で男女の準決勝、決勝が行われ、男子は瓊浦が24年ぶり7度目の優勝、女子は島原中央が初Vを飾った。両校は全国大会(12月23~29日・東京)に出場する。
 男子決勝の瓊浦-長崎西は、瓊浦が第1クオーターを23-10で好発進。第2クオーターもフォワード森山の3点シュートやセンター・イケチュクのゴール下からの得点でリードを広げ、40-25で前半を折り返した。後半は松尾望の個人技などから得点。長崎西もガード江上の3点シュートなどで粘ったが届かず、瓊浦が73-63で勝利した。
 女子決勝の長崎西-島原中央は、第1クオーターに島原中央が内外から得点を重ね、18-12とリードを奪った。第2クオーターは長崎西が守備からリズムをつくり、フォワード上田らの3点シュートで反撃。38-33と逆転して前半を終えた。後半は一進一退の攻防。島原中央は第4クオーター、センター・エザンギがゴール下で安定して得点を奪い、最後は73-71で競り勝った。
 ウインターカップの組み合わせは11月下旬に発表される。

◎男子・瓊浦 重圧はねのけ4冠達成

 今季の県内主要3大会を制してきた瓊浦が、負けられない重圧をはねのけて24年ぶりに冬の全国切符をつかんだ。長崎西との決勝は序盤から主導権を握り続けて快勝。埴生監督は「日ごろから自分たちのプレーに責任を持ち、考えて行動することができた結果」とたくましく成長した教え子たちをたたえた。
 第1クオーターから主将のガード松尾望が攻撃を巧みにけん引。センターのイケチュクがインサイドで得点を量産すると、外角からはフォワード森山が得点を重ねた。前半の40点のうち、イケチュクと森山の2人で33点を奪って勢いづけた。後半は相手がゾーンディフェンスに変更してきて手を焼いたが、要所でイケチュクが体を張って得点を決め、粘る長崎西を突き放した。
 部室のホワイトボードには、昨年の県予選準決勝で敗れた日付と点差が書かれている。「悔しさを忘れるな」。全員でこの気持ちを共有して切磋琢磨(せっさたくま)してきた。勝つためには何をすればいいか。どうプレーすればいいか。考え続けた結果が、県内無敗の4冠達成だ。
 23年ぶりに出場した夏のインターハイは延長の末に1回戦で涙をのんだ。松尾望は「フィジカルやシュート力に差を感じた」という。2カ月後、再び「全国1勝」に挑戦する。得点源の森山は「留学生頼りではなく、どこからでも得点を奪えるようにしないといけない」と課題を挙げる。勝利に貪欲なチームはまた考え、全力でコートを走り回る。

◎女子・島原中央 悔しさ乗り越えて雪辱

 島原中央は冬の全国切符に懸けてきた。6月の県高総体は優勝決定戦で長崎西に最大20点差をひっくり返され、延長の末に惜敗。その悔しさを乗り越え、この日の決勝は息詰まるシーソーゲームを制して雪辱した。「自分たちがやってきたことがすべて出せた」。勝負どころで得点してチームを引っ張ったフォワード水巻は、晴れやかな表情を浮かべた。
 あの敗戦から5カ月間。常に長崎西を想定しながら練習を積み重ねた。県外の強豪校とも練習試合を繰り返し、187センチのセンター、留学生のエザンギが封じられても他の選手が打開できるように総合力を高めてきた。
 迎えた雪辱の舞台。エザンギを警戒して中を固める長崎西に対して、第1クオーターから水巻が外角シュートで次々に得点した。ガード永田らも果敢にゴール下にドライブして徐々にマークを分散させると、そこからエザンギが躍動。第3クオーターは1人で17得点を挙げた。
 第4クオーターは徐々に追い上げられた。5分には62-63とリードを許したが、「最後まで集中しよう」と全員で声をかけ合い続け、ひっくり返した。最後は長崎西の猛攻に耐え、初タイトルを手に入れた。
 「本当によく成長してくれた」。目を細めた崔監督の視線の先に、歓喜に沸く選手たちの笑顔と涙があった。水巻は初の“冬”に向けて「全国でも自分たちのバスケができるように2カ月間必死に練習していく」とさらなるレベルアップを誓った。

【女子決勝、長崎西-島原中央】第1クオーター4分、ゴール下に切れ込む島原中央のフォワード水巻=県立総合体育館

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