長崎・西彼時津町長選で初当選 山上広信さん(62) 「住民の困りごと気づく町長に」

山上広信さん

〈任期満了に伴う29日投開票の西彼時津町長選で新人三つどもえの戦いを制し、12年ぶりの新たな町のかじ取り役に就く。抱負などを聞いた〉

 -選挙戦を終えて。
 町内各地を回り住民と話をする中で、交通弱者である高齢者や交通渋滞、人口減少など、さまざまな課題を実感した。選挙戦は予想通り厳しく、334票差の接戦となった。時津町が一丸となるよう、(次点の)山脇さんの考えも配慮して町政運営に取り組みたい。

 -一方で投票率は、前回町長選があった2007年に比べ5.75ポイント減の48.61%にとどまり、過去最低だった。
 民意ということを考えた場合に少なくとも50%以上の投票率は欲しかった。政治や選挙に関心を持ってもらうためにも、選挙で町が良い方向に変わるということを示していかなければならない。

 -町政運営で大切にしたいことは。
 住民の声をどのように政策に入れ込んでいくかが重要。町長室にとどまるのではなく、外に出て気さくに話ができる雰囲気や親しみやすさを住民に感じてもらい、さまざまな希望や要望に耳を傾けたい。現町政の良いところは引き継ぎ、町職員とよく話をしながら議員としての経験も生かし、時代の流れに対応した施策に積極的に取り組みたい。住民の困りごとに気づくことができる町長でありたい。

 -目指す町の将来像は。
 自然環境、住環境、交通など、人によって価値観はそれぞれ異なる。時津町で暮らす一人一人が求めているものを実現できる町政運営をし、多様性のある町を目指したい。皆さんの笑顔がもっと増え、「山上を選択して良かった」と言ってもらえる仕事ができるよう頑張っていきたい。

 【略歴】やまがみ・ひろのぶ 西彼時津町久留里郷出身。長崎大水産学部卒。1999年、時津町議選初当選。趣味は金属を溶接して物を作ることや絵を描くことなど。得意料理は「鍋焼きうどん」。家族は妻と息子3人。

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