「あのね…」話したくなる情報発信 県、若者視点のサイト開設

ウェブサイトでの発信に向け、取材に取り組む「やまがた魅力発信アンバサダー」=山形市・やまがたクリエイティブシティセンターQ1

 県は若い世代の定着促進などを目的に、若者視点で本県の魅力を掘り起こし、発信するウェブサイト「anone.」を開設した。大学生や高校生など本県出身や在住の若者が「あのね、山形ってね…」と、思わず友人に話したくなるような県内各地の観光施設、店舗、イベントなどを取材し、記事と動画を投稿している。

 情報発信を担当するのは本年度県が募集した「やまがた魅力発信アンバサダー」。県内外の10~20代35人が12グループに分かれ、7月に活動を開始した。月1回の交流会でグループワークなどに取り組み、交流サイト(SNS)で多数のフォロワーを持つ・インフルエンサーや観光情報発信サイトの担当者らを講師に迎え、原稿の書き方や効果的なPRを図る動画の構成を学んでいる。

 8月下旬から各班二つのテーマを取材している。記事の切り口や読んでもらいたい年齢層、読み手の気持ちや行動がどう変化するかなどを考えながら、編集作業を進めている。サイトを運営する県多様性・女性若者活躍課の担当者は「単なる施設や催しの紹介ではなく、地域が抱える課題などにも切り込んで、行政だけではできないアピールに期待している」と話す。

 今月下旬、山形市の「やまがたクリエイティブシティセンターQ1」を取材したグループは、館内を回り運営会社やテナントの話を聞き、施設のコンセプトや今後の展望などを探った。将来、地域活性化に携わる職業に就きたいという東桜学館高1年菊地聡太さん(15)=同市=は「市中心部の魅力や課題について、同級生に伝えられるようになりたい」と話していた。

 サイトには既に蔵王温泉と天童市の飲食店を取り上げた2班の投稿に加え、交流会の様子や各班のメンバー紹介などを掲載している。今後計約80本の記事・動画を紹介する予定だ。

若者目線で本県の魅力を発信するウェブサイト「anone.」

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