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本県統一ブランドの純米大吟醸酒「山形讃香(さんが)」を海外に売り出そうと、県酒造組合(会長・仲野益美出羽桜酒造社長)は貿易支援会社のSTANDAGE(スタンデージ)(東京)と公式パートナー契約を結んだ。同社の輸出ルートを使えば、品質の維持やリスク軽減を図ることができ、県内酒蔵の海外進出を後押しする狙いもある。
山形讃香は昨年、21年ぶりに全面リニューアル。本県最高峰の大吟醸用酒米「雪女神」のコンテストで最上位に入った米を使い、雪女神を使った酒の求評会で最上位になった酒蔵が醸造する形に改めた。
日本酒の輸出量は毎年伸び続け、海外での認知度も高まっている。ただ、山形讃香は本県の「フラッグシップ日本酒」であるが故、長時間にわたる輸送時の品質管理や転売リスクへの対応、現地での販売管理などの課題があった。
スタンデージは海外への定温輸送網を持つほか、海外での販売先管理にもノウハウがあり、同社の物流ルートに乗せることで課題をクリアできるという。輸出窓口を一つに絞ることで、非正規ルートでの輸出品を識別しやすくなり、転売などのリスクも低減できる。販売には同社の越境ECサイト「縁(ゆかり)―YUKARI」を使う。
既にフランスで欧州最大の日本酒展示会に出品し、数十本の予約が入った。2024年度末までに2割を海外に販売することを目標に掲げる。同社は「日本文化の普及と地方創生、日本の貿易市場活性化に貢献する」と話す。同組合は欧州だけでなく、北米やアジアへも販路を広げる考え。仲野会長は「本県最高の酒を海外に売り込むほか、輸出経験のない酒蔵が海外に目を向けるきっかけになれば」と続けた。