小泉町長宅を捜索 志賀の贈収賄 県警30人態勢

小泉容疑者宅に家宅捜索に入る捜査員=31日午前7時52分、志賀町町

  ●午後に4容疑者送検

 志賀町発注の配水管工事の入札を巡る贈収賄事件で、石川県警は31日、受託収賄などの疑いで逮捕された町長の小泉勝容疑者(57)=同町町(まち)=と妻で会社役員の美穂容疑者(56)の自宅に家宅捜索に入った。前夜の町役場に続く捜索で、捜査員約30人が関係資料を押収した。県警は同日午後に小泉容疑者ら4人を金沢地検に送致し、容疑の裏付けを進める。

 小泉容疑者宅の家宅捜索は31日午前7時40分ごろに始まり、捜査員が次々と家の中に入った。捜索は約4時間後に終了し、捜査員が段ボール箱約20個を車両に積み込んだ。

  ●町役場の捜索午前0時過ぎる

 前夜の町役場の捜索は、来庁者がいなくなった午後6時40分ごろから翌日午前0時10分ごろまで、約5時間半に及んだ。捜査員約50人が町長室や総務課、企画財政課、まち整備課などを捜索し、段ボール箱30個以上を運び出した。

 小泉容疑者らの逮捕容疑は共謀し、町が7月6日に実施した「老朽管路耐震化更新事業配水管更新工事(倉垣2工区)」の指名競争入札で、50万円の賄賂を受け取り、7月上旬に入札の最低制限価格827万6千円(税別)を漏らして土木工事会社「青谷工業」に同額で落札させた疑い。

 県警は、贈賄などの容疑で、青谷工業の代表取締役青谷武容疑者(83)=志賀町徳田=と妻で取締役の勝美容疑者(76)も逮捕。2人は共謀し、入札での便宜を小泉容疑者らに依頼し、現金を渡した疑いが持たれている。県警は4人の認否を明らかにしていない。

  ●副町長が職務代理

 町長の逮捕を受け志賀町は31日、当分の間、庄田義則副町長を町長職務代理者にすると発表した。弁護士を通じて小泉容疑者の意向を確認した上で決めたとしている。庄田副町長は取材に対し「町政が混乱しないよう信頼の回復に努める」と話した。

© 株式会社北國新聞社