拉致解決へ子ども会議、福井と新潟の3市オンラインで結ぶ 地村保志さんら出席「活動広げて」と訴え

蓮池薫さん(画面)からのメッセージを聞く児童と地村保志さん(右)=10月31日、福井県小浜市の加斗小学校

 北朝鮮による日本人拉致問題の解決に向け世代を超えて考えていこうと、帰国した拉致被害者が暮らす福井県小浜市と新潟県柏崎市、佐渡市の3市の小学校で10月31日、オンライン子ども会議が開かれた。小浜市の地村保志さん(68)、柏崎市の蓮池薫さん(66)、佐渡市の曽我ひとみさん(64)が出席。それぞれの地元で「一刻も早い解決に向け、家族や地域住民などに伝え、活動を広げてほしい」と児童に訴えた。

 小浜市加斗小学校、柏崎市荒浜小学校、佐渡市真野小学校をオンラインでつなぎ行われた。3校の5、6年生約90人は、事前に地村さんら被害者から拉致された当時の状況や、家族や友達と引き離されたつらさなどを聞いた上で会議に臨んだ。

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 各校の児童は拉致事件を直接聞き「北朝鮮に残された被害者が帰国するためにできることは何かを考えてきた」などと発表。今後、各校でポスターやチラシを作成したり、署名活動、国や政府に手紙を出したりすることを決めた。

 児童の発表を受け、地村さんは「皆さんの発表を聞き、私自身の活動の大きな励みになった。今日のことをお父さんやお母さんにも伝えてほしい」と話した。

 蓮池さんは「皆さんが自分の思いを地域の人たちなどにも広めたいということが解決への大事な要素になる」、曽我さんは「いろんな人に拉致問題を知ってもらいたいという気持ちがとてもありがたい」と感謝した。3人は「みんなの活動を全国に広げ、残された被害者を取り戻し、日朝間が平和になってほしい」と願った。

 3市と各教委が主催して開いた。今年5月、3市による「拉致被害者関係市連絡会」で小浜市の松崎晃治市長がオンライン授業を提案していた。

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