朝来市職員4割、市議によるハラスメント「受けた」「目撃した」 叱責、どう喝、拘束…議会に防止申し入れ

朝来市役所=朝来市和田山町東谷

 兵庫県朝来市は、市議による職員へのハラスメントの防止を求めて同市議会に文書で申し入れた。市の調査で正職員187人(有効回答数)の約4割がハラスメントを「受けた」「受けているのを見た」と答えたためで、市がハラスメント防止を市議会に申し入れたのは初めて。

 具体的な内容は、威圧的、高圧的な対応▽大声での叱責▽意に沿わない対応へのどう喝▽長時間の拘束-などで、複数の市議が関与していたという。

 市は、市議から職員へのハラスメントに関する相談はなかったというが、9月定例会で市議が関連の質問をしたことを受けて調査。市は結果を深刻な事態と捉え、「職員を過度に委縮させることは慎んでほしい」と申し入れた。

 31日に就任した森田龍司議長は「ハラスメントの定義などを含め、当局としっかり情報交換し、改善すべきところは改善したい」との考えを示した。市の担当者は「今後は議会の対応を待ちながら、再度、調査をすることも検討したい」と説明している。(小日向務)

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