「社町ビフカツ」でコロナ不況に勝つ! 軟らかさが自慢、人を呼び込む一皿に 兵庫・加東のレストラン提供

藤井健二さんがソースにこだわり抜いた「社町ビフカツ」=加東市家原

 兵庫県加東市家原の洋食レストラン「ウィステリア」が、人気メニューを改良し、地元のPRを願って地名を冠した「社町ビフカツ」を提供している。開業8年、地元や遠方から訪れる常連客をつかんだが、新型コロナウイルスの感染拡大で飲食業界は打撃を受けた。加東市ににぎわいが増すよう、人を呼び込む味を目指して、一皿に情熱を注ぐ。

 同店店主の藤井健二さん(59)は大阪府出身で、10代から料理の道へ進んだ。加東市に移住した両親らが一時営んでいた喫茶店の店舗を受け継ぎ、2015年9月にウィステリアをオープン。自家製野菜やコメを使ったメニューを出す。

 中でもビフカツは、牛肉の最高級部位とされる「シャトーブリアン」を使う逸品で、ミディアムレアで仕上げた軟らかさが自慢。藤井さんによると、入れ歯を忘れた90代の客が「歯茎だけでかめる」と喜んだほどだという。

 新型コロナを受けて藤井さんが相談していた加東市商工会関係者もこの味に目を付け、新たな売り出し方を模索。藤井さんはデミソースの製法を大きく見直し、今年6月ごろから「社町ビフカツ」と名称も変えた。辛すぎない風味はそのままに、隠し味のハチミツなどで深みが増したという。

 藤井さんは「社町と名乗る以上はしっかりとしたものを出す覚悟。地元のPRに一役買いたい」と話す。

 社町ビフカツは1606円。ウィステリアTEL0795.21.1424 (岩崎昂志)

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