AI安全へ国際協調宣言 米中参加、リスクを管理

英ロンドン郊外のブレッチリー・パーク=2015年(AP=共同)

 【ミルトンキーンズ共同】英政府は1日、ロンドン郊外ミルトンキーンズで「AI安全サミット」を開き、「AIの安全に関するブレッチリー宣言」を発表した。宣言には米中なども合意し、AIの安全活用に向けた国際的な取り組みが急務だとの認識で一致した。英政府によると、AIの安全性やリスク管理を主眼とした世界初のサミット。

 英国のドネラン科学・革新・技術相は会合で「私たちはリスクが現実とならないようにする責任を負っている」と述べ、リスク回避に全力を挙げる考えを示した。中国科学技術省の呉朝暉次官も「中国はAIの安全性分野で各国との対話を強化したい」と国際協調の意向を示した。

 日米などはAIの安全利用を巡り、知的財産権の侵害や偽情報の拡散など中国に対する懸念を強めている。英政府は中国を交えた議論が重要で、サミットに欠かせないとして招待した。

 各国政府やAI開発企業の代表ら約100人が参加した。出席者にはスナク英首相やハリス米副大統領のほか、米有名企業家のイーロン・マスク氏や米オープンAIのトップらが名を連ねた。

人工知能(AI)について演説するスナク英首相=10月26日、ロンドン(ロイター=共同)

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