今年「エンブレムのデザインを大胆に変えた」5つのチーム

デザインの変更が起こるたびにファンの間で賛否両論となるエンブレム。

JリーグでもFC東京とFC琉球の2チームが相次いでデザイン変更を発表して大きな注目を集めている。

そこで、今年に入りエンブレムのデザインを変更した5つのチームとその新旧デザインをご紹介しよう。

アストン・ヴィラ

2022-23 Castore ホーム ユニフォーム

2023-24 Castore ホーム ユニフォーム

プレミアリーグのアストン・ヴィラは今季のユニフォームなどに丸型の新しいエンブレムを採用。マイナーチェンジを繰り返しながら2007-08シーズンより使い続けてきた紋章型のエンブレムに別れを告げている。

形の変化以上に注目だったのはライオンの向き。右向きのライオンは1874年のクラブ創設時から1880年まで使用したスタイルで、その時以来の復活となった。このデザインは2022年に2つの候補からファン投票で選ばれたもので、80%近くの票を得ている。

今回のエンブレム変更は明らかに2024年の150周年に向けたものだろうと思われたのだが、どうやらその150周年に向けてクラブでは来季再びエンブレムを変更する動きがあるらしい。それが真実であれば23-24シーズンの変更は一体何だったのかという話になる。

シアトル・サウンダース

2023 adidas ホーム ユニフォーム

2024 新エンブレム

アメリカメジャーリーグサッカー(MLS)のシアトル・サウンダースは今年9月に新エンブレムのデザインを発表。クラブ創設50周年を迎える2024年から使用を開始するという。

シアトルの創設年はこれまで公式には2007年とされてきたが、新エンブレムではいきなり1974の文字が刻まれている。クラブ側の説明によれば、現在のシアトルの原点は1974年から83年まで活動した同名のチームとのこと。そのため来季で50周年を迎えるという。

公式には2007年創設だが、母体となったクラブの50周年を祝うというニュアンスなのだろうか。その新エンブレムは、現在のデザインの特徴であり街のランドマークでもあるタワー「スペースニードル」を中心に据える。

ベネズエラ代表

2021 Givova ホーム ユニフォーム

2023 Givova ホーム ユニフォーム

それほど話題にならなかったが、今年7月にベネズエラ代表はエンブレムの大胆なデザイン変更を実施した。これまでとは完全に異なる“アイコン化”に近い変更だ。

新エンブレムのベースカラーはユニフォームのホームと同じでワインレッドとゴールド。そこにサッカー連盟名“Federación Venezolana de Fútbol”の頭文字であるFVFを組み合せる。以前の国旗カラーは一部分だけ残した形だ。これまでの国旗3色とは全く違う印象だが、ホームユニフォームの色とは絶妙にマッチする。

ベネズエラは現在のサプライヤーGivovaとの関係を2023年で終了し、2024年からは新たにadidasとのパートナーシップが始まる。この新エンブレムも当初は2024年のadidasユニフォームから使用を開始すると目されていたのだが、実際には9月のW杯予選から付け始めている。

FC東京

2023 New Balance ホーム ユニフォーム

2024年 新エンブレム

FC東京は10月28日に新エンブレムのデザインを発表。現在のものとはあまりにも違いすぎるデザインは、サポーターの間でも賛否両論で評価が分かれているようだ。

新エンブレムのスタイリッシュなデザインは確かに格好よいのだが、強いて挙げるならフックが少々足りないようにも感じられる。それは、クラブの原点を明確に表した燃えさかる“T”のような「核となる部分」の不在なのかもしれない。

コンセプトやデザインは非常に緻密で、11本の斜めストライプは「決して挑戦を止めず高みを目指し続ける選手の姿」、右側の三角形(ワンストライプ)は「サポーター、選手、クラブが一体となり力強く進む姿」、下部の4本線はクラブの土台・文化を作り上げる「最前線、クリエイティビティ、多様性、可能性」を表現。この3つは多様な文化、多彩な人が交わる東京という街、FC TOKYOというクラブの多様性を表現している。

新エンブレムを付けるユニフォームはどのようなデザインとなるのか。今から楽しみである。

FC琉球

2019 Sfida ホーム ユニフォーム

2024年 リブランディング

FC東京より一足早く10月26日に、沖縄ではFC琉球が新しいエンブレムデザイン並びにクラブのリブランディングを発表した。単なるエンブレム変更ではなく、完全にクラブとしての新基軸を打ち出した格好だ。

エンブレムに関しては、やはり2体のシーサーの簡略化が悪い意味で大きな話題となっている。かつての琉球王国を表す王冠のデザインにもファンの間で不満は多いようだ。端的に言えば「沖縄らしさの消失」だろうか。

また、チーム名もこれまでのFC琉球から「FC琉球OKINAWA」(呼称はFC琉球で変わらず)への変更も発表され、新たなロゴマークも登場。エンブレムに関しては、ユニフォーム等に付けるものとは別にシーサーの顔部分のみをクラブ章として使用する。

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今回の変更にサポーターの反発はかなり大きいようで、クラブは11月3日に那覇市内で開くサポーターミーティングの場で、再度リブランディング等の理解を求める説明を行うとしている。

過去にはリーズ・ユナイテッドのようにサポーターが全力でエンブレム変更を阻止した例もあるだけに、まずはクラブ側の対応に注目したい。

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