焼津市舞台のカツオ窃盗事件…冷蔵庫会社元幹部の逮捕後“不起訴”処分は「不当」 静岡検察審査会が議決

静岡・焼津市を舞台とするカツオ窃盗事件で逮捕された冷蔵庫会社の元幹部で50代の男性を不起訴とした静岡地検の処分について、静岡検察審査会は10月26日付で「不起訴不当」と議決したことがわかりました。

冷蔵庫会社の元幹部の男性は2021年3月、運送会社の元社長らと共謀し宮城県の船会社から水揚げした冷凍カツオ約10トンを盗んだとして逮捕され、2022年8月に不起訴処分となりました。その後、被害にあった船会社は不起訴処分を不服として2022年10月 検察審査会に審査を申し立てていました。

2023年10月26日、検察審査会は冷蔵庫会社の元幹部の男性について「預かった冷凍カツオを盗品と認識していた疑いは払拭できない」と指摘、さらに「漁協の計量証明書がない冷凍カツオを無償で預かるという不審な点」などがあるとして「不透明な部分が多く調べが尽くされているとはいえない」として「不起訴不当」と議決しました。

同じく不起訴となった鹿児島県の元食品卸販売業の60代の男性については「調査が不十分と思われるところもあるが、冷凍カツオが盗品と知っていたと認められる確かな証拠がなく、他に検察官の不起訴処分を覆すに足る証拠がない」として「不起訴相当」と議決しています。

この議決を受け、静岡地検の奥田洋平次席検事は「捜査を尽くしたうえでの不起訴処分だった、今回の検察審査会の議決は真摯に受け止め、改めて捜査する」とコメントしています。

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