【台湾】3Q「専利」出願は1%増[経済] TSMC、特許で8年連続首位

知的財産権を管轄する台湾経済部(経済産業省)智慧財産局(智財局)によると、台湾での「専利(発明に関する特許、実用新案登録、意匠登録)」の2023年第3四半期(7~9月)の出願数は前年同期比1%増の計1万8,310件だった。台湾人と台湾法人による特許出願数では、ファウンドリー(半導体の受託製造)世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が第3四半期としては8年連続で首位となった。

TSMCの特許出願数は前年同期比60%増の443件。2位はモバイル端末向けIC設計世界大手の聯発科技(メディアテック)で23%増の138件。3位はパソコンブランド世界大手の宏碁(エイサー)と液晶パネル大手の友達光電(AUO)でいずれも92件だった。宏碁は70%増えたが、友達光電は21%減った。

以下は◇EMS(電子機器の受託製造サービス)大手の英業達(インベンテック):9%増の87件◇液晶パネル世界大手の群創光電(イノラックス):4%減の85件◇電源ユニット台湾大手の台達電子工業(デルタ):2倍の67件◇DRAM大手の南亜科技(ナンヤ・テクノロジー):22%増の66件◇半導体メーカーの新唐科技(ヌヴォトン・テクノロジー)、IC設計の瑞イク半導体(リアルテックセミコンダクター、イク=日の下に立):それぞれ88%増の62件、21%減の62件——となった。このうち新唐科技は過去最高を更新した。

■日本企業は10位内に5社

海外の申請者・法人別の特許出願数では、日本企業が10位以内に5社入った。ランクインしたのは◇4位:東京エレクトロン(47%増の168件)◇5位:日東電工(4%増の117件)◇6位:富士フイルム(4%減の92件)◇8位:レゾナック(67件)◇9位:信越化学(35%増の65件)——。

首位は韓国サムスン電子で、74%増の285件。2位は米アプライドマテリアルズ(9%減の198件)、3位は米クアルコム(12%減の194件)だった。

外国人と海外法人の専利出願数を項目別に見ると、日本は特許と意匠登録が首位(それぞれ5%増の3,100件、11%増の218件)だった。商標は2位(26%減の725件)、実用新案登録は4位(50%増の18件)だった。

■意匠登録は微増

第3四半期の専利の出願数全体を項目別に見ると、特許は1%増の1万2,670件、実用新案登録は0.4%増の3,782件、意匠登録は0.3%増の1,858件だった。

台湾人と台湾法人による専利の出願数は0.3%減の9,212件。外国人と海外法人は2%増の9,098件となった。

台湾人と台湾法人の出願のうち、特許は1%増の4,830件だった。企業が6%増の3,912件だった。

■商標は7%減

ロゴや商品名といった商標の出願数は7%減の2万3,632件。台湾人と台湾法人の出願数は5%減の1万8,790件。

このうち、台新国際商業銀行が264件で首位だった。2位は商業施設開発の統正開発(135件)、3位は食品最大手の統一企業(ユニプレジデント、109件)だった。

台湾人と台湾法人が出願した商標内容を種類別に見ると、1~3位は◇「広告・企業経営」:7%減の3,772件◇「レストラン・宿泊」:1%増の1,919件◇「コーヒー・茶・スイーツ」:13%減の1,640件——だった。

外国人と海外法人による出願数は12%減の4,842件。種類別の1~3位は◇「パソコン・IT製品」:10%減の983件◇「広告・企業経営」:20%減の581件◇「薬品など」:4%増の548件——となった。

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