サッカースタジアム訴訟、栃木市が上告断念方針 高裁判決確定へ

栃木市岩舟総合運動公園内のサッカー専用スタジアム

 栃木市岩舟総合運動公園内に日本理化工業所(東京都)が建設したサッカー専用スタジアムを巡る住民訴訟で、市が固定資産税や公園使用料を免除したのは違法として市側の控訴を棄却するなどした東京高裁判決について、市が上告を断念する方針を固めたことが1日、関係者への取材で分かった。

 上告期限は2日で、大川秀子(おおかわひでこ)市長に固定資産税の免除決定取り消しを命じ、公園使用料の未請求を違法とした高裁判決が確定する。市は2日、臨時記者会見を開いて方針を説明する。

 大川市長は10月27日の原告団との面会の際に「厳しい財政や人口減少など地方が抱える問題を全く考慮せず、まちづくりの裁量権を認めていない」と高裁判決を批判していたが、最高裁で判断を覆すのは困難と判断したとみられる。

 スタジアムは同社子会社が運営する関東サッカーリーグ1部「栃木シティFC」のホーム施設。市は地域活性化や経済効果といった面から公益上の理由があるとして、2022年度と23年度の固定資産税と、約11カ月間の公園使用料1225万円を免除したが、高裁は税免除の合理性などを否定していた。

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