冨安途中出場アーセナルが今季最多3失点で敗退…不振脱却のハマーズがベスト8進出【EFLカップ】

[写真:Getty Images]

EFLカップ(カラバオカップ)4回戦、ウェストハムvsアーセナルが1日にロンドン・スタジアムで行われ、ホームのウェストハムが3-1で勝利した。なお、アーセナルのDF冨安健洋は57分からプレーした。

アーセナルはリーグ前節でシェフィールド・ユナイテッド相手に、冨安の加入後初ゴールを含む今シーズン最多5ゴールを奪って圧勝。公式戦2連勝を達成した。リーグ次節にニューカッスルとのタフなアウェイゲームを控えるなか、ミッドウィーク開催のEFLカップではハマーズとのロンドン・ダービーに臨んだ。

アルテタ監督はブレイズ戦からホワイト、キヴィオル、ジンチェンコ、ハヴァーツ、エンケティアを除く先発6人を変更。GKにラムズデールが起用されたほか、ファビオ・ヴィエイラ、ネルソン、トロサールといった控え選手が起用された。冨安はニューカッスル戦先発の布石かベンチスタートとなった。

立ち上がりから高いインテンシティの攻防を見せる両チーム。ただ、アウェイのアーセナルがボールを握り、ホームのウェストハムがカウンターで応戦するお馴染みの形に落ち着く。開始8分にはネルソンからのクロスをボックス内のハヴァーツが頭で合わすが、これはGKファビアンスキのセーブに阻まれる。

以降もアーセナルペースで試合が進んでいくが、先にゴールを奪ったのはウェストハム。16分、右CKの場面でキッカーのボーウェンが左足インスウィングでゴールへ向かうボールを蹴ると、ニアでクリアを試みたDFホワイトの頭に当たったボールがそのままゴールネットに突き刺さった。

不運な形でいきなりのビハインドを背負ったアーセナルはすぐさま反撃を開始。右サイドのネルソンの果敢な仕掛けや、セットプレーからホワイト、エンケティアの続けざまのヘディングシュートでハマーズゴールを脅かしていく。

前半半ばから終盤にかけても相手を押し込み続けるアーセナル。両ウイングで幅を使いながら、流動的な動き出しでポケットを取って良い崩しを見せるが、最後のところでしっかりと身体を張る相手守備を崩し切れず。シュートは放つものの、決定機まであと一歩という焦れる状況が続く。

一方のウェストハムは持ち味の堅守を活かし、1-0で試合を折り返すことに成功したが、前半はシュート0本。カウンターの脅威を相手に与えることができず、後半に向けて課題を残す形となった。

互いに選手交代なしで臨んだ後半、ウェストハムがいきなり2点目に迫る。46分、パケタの中央突破からボックス右に走り込んだボーウェンにラストパスが通るが、右足で肩口を狙ったシュートはGKラムズデールが見事な反応でセーブ。ゴール前にこぼれたボールもホワイトが冷静なゴールカバーでクリアした。

このファーストチャンスを逃したウェストハムだが、2度目のチャンスをしっかりとモノにする。50分、エメルソンからの対角ロングフィードに反応したクドゥスがボックス右で巧みなタッチで足元に収めると、すかさずDFガブリエウの股間を抜く左足のシュートをファーポストに突き刺した。

まずい後半の入りで点差を広げられたアーセナルはすぐさま反撃に出るが、ハヴァ―ツらのシュートは枠を捉え切れない。これを受け、アルテタ監督は57分に2枚替え。ジンチェンコとジョルジーニョを下げてロンドン・スタジアム初帰還のライスと冨安が投入された。

しかし、この交代直後に決定的な3点目が生まれた。60分、冨安から足元にパスを受けたハヴァーツを潰してカウンターを仕掛けたホームチームは右サイドのツォウファルがクロスを供給。これはゴール前のホワイトが頭でクリアするが、ペナルティアーク付近でこぼれに反応したボーウェンが左足一閃。ゴール前のDFキヴィオルにディフレクトした強烈なシュートをGKラムズデールがはじき切れず、ゴールネットに突き刺さった。

これで敗色濃厚となったアーセナルは66分にネルソン、トロサールを諦めてサカとマルティネッリのレギュラーウイングコンビを投入。すぐさま押し込む形を作り出すが、より後ろに重心を置いた相手の堅守に手を焼く。
その後、エンケティアを下げてウーデゴールを投入し、5枚の交代カードを使い切ったアーセナル。主力の投入で若干攻撃は活性化されたが、ウーデゴールらの枠内シュートがGKファビアンスキの好守に阻まれるなど、最後までゴールが遠い。

試合終了間際にはウーデゴールの見事なフィニッシュで今季初の公式戦無得点を回避したものの、今季最多3失点と厳しい敗戦となった。

一方、公式戦3連敗中だったウェストハムは会心の勝利を挙げ、EFLカップ準々決勝進出を決めている。

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