ゆったり過ごしてこそわかる、バリ島の魅力

海外旅行予約アプリ『NEWT(ニュート)』を運営する、令和トラベルでブランドやコンテンツなどを担当している向井が、実際に訪れた海外の街を紹介していく連載。ブランディングやカスタマーエクスペリエンスの観点から、個人的に感じたその街の魅力を深掘りしていく。

世界中から人気の旅行先として知られる、インドネシアのバリ島。「神々の住む島」とも呼ばれるほど美しく神秘的であり、エリアによって多様な魅力がある。世界遺産もあれば今どきのお店も並び、グルメもユニークかつ絶品で、エステなどの美容もレベルが高い。

世界遺産テガラランのライステラス

一方で、久しぶりの海外旅行先としては、なかなか行きづらいというのも事実としてある。課題の1つは、移動だ。日本からバリ島へは直行便が少なく、ガルーダインドネシア航空のみ。サービスは一流だが、近年発達しているLCCと比較すると価格はどうしても上がってしまう。

LCCでも渡航できるが、海外での乗り継ぎが必要になる。価格は抑えられる一方で、難易度が上がって、初めての方は不安も大きくなると思う。そもそも直行便の快適さに慣れてしまうと、乗り継ぎ便のハードルは高い。時間も多く掛かる。

安近短(価格が安くて、日本から近くて、短い日数で行ける)を前提にアジア旅行を選ぶと、どうしてもバリ島は選択肢から外れやすい。アジアには、あまりにも魅力的な旅先が多すぎるのだ。

そこでわたしが提案したいのは、思い切って「ゆったり」バリ島へ行くこと。もちろん弾丸旅行でも魅力をかいつまんで体験することはできる。けれど、丸一日ただホテルステイを楽しむような、そんな時間のある旅でこそ、バリ島へ行った価値を感じられるのではないだろうかと思ったのだ。今回はその話を書こうと思う。

バリ島のウブドで心が満たされた

2022年のクリスマス、長めの休暇が取れたので、バリ島に向かった。普段なら観光地を巡りやすいアクセスの良いホテルに決めがちなのだが、コロナ禍で息苦しさを感じていたこともあり、あえて大自然に包まれるウブドの中でも、少し辺ぴな場所にあるヴィラにステイすることにした。

バリ島にはたくさんのヴィラがある。ウブドも例に漏れず、素晴らしいヴィラタイプのホテルがいくつもある。これはどこのエリアも共通だと思うが、中心地から離れるとリーズナブルに、広めのヴィラに泊まれる。わたしが選んだのは「TheWakanda Resort A Pramana Experience」 。約40㎡ある、完全プライベートヴィラだ。

チェックインするとまずレストランに案内され、絶景の中でウェルカムドリンクをいただく。この景色だけでも「来た甲斐があった」と思えた。接客も、自然体ながらホスピタリティを感じられて、心が温かくなる。

その後は、広い部屋でただただゆっくり過ごす。バルコニーで自然を見ながら読書なんてするのもいい。身体を動かしたくなったら、インフィニティプールへ。近くをふらりと散歩するのもおすすめ。

ホテル内でマッサージを受けるのもいい。とにかくホテル内にある施設すべてリフレッシュに繋がっている。サービスはホテル価格に対して大変高く、通いたくなってしまう。

その中でも、わたしが最も心満たされた体験が、朝ヨガ。起きてすぐ空腹のまま身体を動かすことがこんなに気持ちがいいとは。新鮮な空気を吸いながら、絶景に囲まれて行うヨガは、すべてのストレスを解放してくれるようだった。宿泊者は無料で参加できる。

ごはんもホテルで。スマホでマップを見てお店を探しまくる、ということを一旦やめてみる。ゆったり会話を楽しみながら食べる。食べ終わったらそのまま部屋に戻って、またゆったり時間を過ごす。

そんな、文章にすると他愛もない日々を過ごすと、何故だか、心が満たされていくのを感じたのである。

求めていたのは「深呼吸できる時間」

東京で暮らしていると、時間があまりにも早く過ぎてしまう。もう1日が終わってしまった、あれから1年も経ったのか、と置いていかれそうなほど早い。目まぐるしい生活は、刺激的で楽しい一方で、少しずつ心を疲れさせていたのかもしれない。

ウブドは、そんなわたしに「深呼吸ができる時間」を提供してくれた。視界一面の自然に囲まれて、温かく落ち着いたスタッフさんと接して、広いヴィラで、予定のない1日を過ごす。どこでもできそうと思うかもしれないが、ハードとソフトの両面でレベルが桁違いなバリ島だからこそできた体験なのだと思う。

疲れたなと感じたときには、またウブドに戻ってきたい。少し長めの休暇をとって、素晴らしいヴィラを予約して。

All photo by Manami

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寄稿者 Manami Mukai [(https://tms-media.jp/contributor/detail?id=38)㈱令和トラベル / 創業メンバー ブランド/カスタマーコミュニケーション担当

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