SBK:MIEレーシング、2024年も2台体制を継続。マッケンジーとノルディンがWSSから昇格に

 11月2日、スーパーバイク世界選手権(SBK)に参戦しているPETRONAS MIE Racing Honda Teamは、2024年にタラン・マッケンジーとアダム・ノルディンを起用することを発表した。

 MIEレーシングは森脇緑代表が率いているチームで、2019年にSBKに参戦したモリワキ・アルティア・ホンダ・レーシングを引き継いだチーム。2020年からホンダCBR1000RR-Rを使用してSBKに継続して参戦している。

 高橋巧も参戦していた同チームは、2020年はパートナーシップの解消から1台体制となり、2021年はホンダCBR1000RR-Rの開発に専念することから休戦するなど、参戦開始から2年間は不安定な参戦体制が続いていた。

 2022年からは、ハフィス・シャーリンとレアンドロ・メルカドのふたりを擁して2台体制でエントリー。2023年はシャーリンと、エリック・グラナドを新たに起用し、加えてスーパースポーツ世界選手権(WSS)にも参戦を開始し、マッケンジーとノルディンを起用していた。

2023WSS:タラン・マッケンジーとアダム・ノルディン(PETRONAS MIE HONDA Team)/第8戦チェコ

 2023年からはマレーシアの国営石油企業であるペトロナスと新たに契約し、マシンカラーリングも一新してペトロナスカラーで戦っていた。2024年もカラーリングは継続されるようだが、ライダーのラインアップも一新され、WSSを戦っていたマッケンジーとノルディンの両ライダーをSBKに昇格させることが発表された。

 マッケンジーは、2021年にブリティッシュスーパーバイク選手権(BSB)でチャンピオンを獲得。2023年からWSSに参戦し、第8戦チェコのレース2で優勝を飾り、チームに勝利をもたらした。また、2023年は鈴鹿8耐にもジョシュ・フックの代役として急きょ参戦し、見事完走を果たして3位を獲得している。

2023WSS:優勝したタラン・マッケンジー(PETRONAS MIE HONDA Team)/第8戦チェコ

 マレーシア出身のノルディンは25歳のライダーで、Moto3クラスやアジアロードレース世界選手権のASB1000にも参戦していた経験を持っている。2023年からWSSに参戦し、第8戦チェコでは5位入賞を果たし、ランキング25位で終えている。

 そんなノルディンとマッケンジーが2024年は、SBKに昇格してPETRONAS MIE Racing Honda TeamからホンダCBR1000RR-Rを駆ることになる。

■タラン・マッケンジー
「ワールドスーパーバイクにステップアップすることは、長い間の夢だったのでとてもうれしい。メーカーが違うとはいえ、ブリティッシュスーパーバイク選手権で多くの経験を積んできたし、今年はすでにミサノとヘレスでMIEスーパーバイクをテストできたのは良かった」

「また、CBR1000RR-Rをより理解するためにHRCと鈴鹿で2回のテストをこなし、鈴鹿8耐を別のホンダのマシンで走ったことももちろん重要だった。だから、すでにホンダでのスーパーバイクを味わうことができてよかったし、来シーズンの契約が整ったことも素晴らしいことだ。この新しい挑戦を本当に楽しみにしているし、ペトロナスとPETRONAS MIE Racing Honda Teamに感謝しているよ」

■アダム・ノルディン
「まず最初に森脇緑代表、ペトロナス、そしてホンダに感謝の気持ちを伝えたい。ワールドスーパーバイクに飛び込むのは大きな決断だが、僕にとっては絶好のチャンスであり、長い間望んでいたことだ。来シーズンのチャンピオンシップはさらに競争が激しくなり、大きな挑戦になることは分かってるけれど、僕は参加することで多くのことを学び、成長できるだろう」

「ペトロナスと母国マレーシアを代表することは本当に名誉なことで、このチャンスを与えてくれたことに心から感謝している。来年は厳しく、とても刺激的な年になると思うので、それに備えて今まで以上にトレーニングに集中していきたいと思っている。とても幸せで、将来が楽しみだよ」

■森脇緑代表
「アダム・ノルディン、タラン・マッケンジーの両選手が、PETRONAS MIE Racing Hondaチームファミリーの一員に残り、若手ライダーの国際レース舞台での成長を支援するプロジェクトに沿って、SBKカテゴリーにステップアップすることを発表できて大変うれしく思います。非常に速く才能豊かなふたりの若手ライダーは、この仕事に全力で取り組み、あらゆる場面で戦う準備ができているます」

「ふたりはすでにWSSで証明しており、タランはチームに初優勝をもたらし、アダムは非常に競争の激しい選手権で5位を獲得するなど、可能な限り最高の結果を出すために常に懸命に戦ってくれています。彼らは間違いなく、我々のSBKプロジェクトを後押ししてくれるでしょう」

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