【ミャンマー】新著作権法が施行、外国作品保護に一歩[経済]

ミャンマー軍事政権は10月31日、新著作権法を施行した。日本を含む外国で制作された作品の無断利用の横行が長年の課題だったが、国際水準に沿った同法の施行で著作権保護に一歩を踏み出した。ただ、政情不安が続く中、実効性は不透明だ。

同法の施行により、外国で発表された作品が発表から30日以内にミャンマーでも発表されれば、著作権保護が認められる。ミャンマーは著作権保護に関する最も基本的な国際条約「ベルヌ条約」に加盟しておらず、課題は残る。

ミャンマーは世界貿易機関(WTO)に加盟しており、「知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(TRIPS協定)」を履行する義務を負う。ただし、同国など後発発展途上国(LDC)には猶予期間が設けられている。WTOは2021年6月、LDCの履行義務の開始期限を34年7月1日まで延長すると発表していた。

ミャンマーでは、日本の著名作家や音楽家の作品の無断利用も横行している。新法の施行は好材料ではあるが、制度の整備にはまだ時間がかかりそうだ。

同国では19年に知的財産関連4法(商標法、著作権法、意匠法、特許法)が成立。施行日は商標法が今年4月1日、著作権法と意匠法が10月31日。特許法はまだ施行されていない。

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